OracleがiPhoneに取り組んでいるというのは奇妙なことに聞こえるかもしれないが、この事実はビジネスシーンの一面を特徴的にあらわしている。セキュリティ機能や制御機能などを欠いていることからビジネスシーンには不適切だという指摘もあったiPhoneだが、実際のところ便利な情報端末でありこれがなくなると困る社会人は少なくない状況。最近ではエンタープライズのビジネスシーンにおいてもiPhoneは必要不可欠だと見る向きが増えている。4月22日に行われたOracle OpenWorld Tokyo 2009において、日本オラクルの西脇資哲氏が、米国での事例を中心にiPhoneのビジネスシーンにおける可能性を紹介した。
iPhoneを使ってできることは実にさまざまだ。ビジネス用途で重宝するのは、たとえばメールチェック、スケジュール管理、プレゼンテーション、モニタリング、アクセスリストチェック、住所管理、Google Mapをつかった地図情報や移動方法の検索、資料閲覧、新聞閲覧、名刺管理、フルブラウジングなど、あげていけばキリがない。アプリケーションをインストールすればビジネスシーンに必要となる機能を得られることから適用できるシーンも広い。
Oracleは企業向けのアプリケーションやソリューションを提供している最大手のベンダだ。同社はPDA/携帯電話などすべてのクライアントをサポートするという姿勢を取っており、当然iPhoneも対象に入っている。さらにOracleではすでに4,000台のiPhoneを導入して社員が同端末を活用しているという。iPhone 3Gの発売と同時にOracle用のiPhoneアプリケーションを提供。現状ではiPhoneからOracleアプリケーションへのアクセスを順次提供している状況にある。
ビジネスアプリケーションをiPhoneに対応させるには、WebアプリケーションとしてSafariからアクセスさせる方法と、iPhoneのネイティブアプリケーションを開発してアクセスさせる方法がある。Oracleはすでにワークフロー表示、固定資産管理、売上分析、BI分析データ表示などの機能を提供する6種類のiPhoneアプリケーションを提供している。またOracle JDeveloperにiPhoneアプリを開発するための機能が提供されており、それを使って開発も実施できる。今後対応するアプリを順次リリースしていくようだ。