BMWは3月24日、東京・新宿区外苑の聖徳記念絵画館で、フラッグシップモデルである「ニューBMW7シリーズ」の発表会を開催した。だが、本当にサプライズだったのはステージ右側に置かれたニュー7シリーズのハイブリッドカーだった。
発表会は外苑の絵画館。世界的不況の中では異例の規模。プレミアムが何かを熟知しているブランドらしい演出だ |
受付も高級ホテルのようだ。ここが仮設テント内とは思えないほど豪華 |
会場にはソファが置かれ、まるでホテルのようだ。このソファに座ったたままでスピーチが行われた |
開始時刻はちょうどWBCの優勝が決まる直前の14時30分。BMWの粋な計らいで開催時間を遅らせ、歓喜の優勝を見届けてスタートさせた。こんな場面での柔軟な対応がいかにも輸入車メーカーらしい。
最初のローランド・クルーガー社長のスピーチでも「WBCでの優勝、おめでとうございます」の一言から始まった。だが、本当にサプライズだったのは次の瞬間だった。発表が行われるステージ右側に置かれたクルマのベールを取ると、それはニュー7シリーズのハイブリッドカーだった。海外のショーでは姿を見せていたが、日本でお披露目するのは初だ。筆者も実車を目にするのはこれが初めて。
ローランド・クルーガー社長の「WBC優勝おめでとうございます」の言葉から始まったスピーチのハイライトはハイブリッドのサプライズ披露だった |
ローランド・クルーガー社長が手を掛けているのが、ニュー7シリーズのアクティブ・ハイブリッド |
このハイブリッドカーは7シリーズをベースにしたコンセプトだが、市販車は2010年に日本で発売することをアナウンスしている。スピーチでは1年と少しだというから、2010年6月ころになるのだろうか。もちろんこれがBMW初のハイブリッド市販モデルだ。BMWでは単純にハイブリッドと呼ぶのではなく、ActiveHybrid(アクティブ・ハイブリッド)とネーミング。走りを重視するブランドらしい。
搭載エンジンは750iや750Liに搭載されるV型8直噴ツインターボにモーターを組み合わせている。モーターはエンジン直後に置かれ、トルコンの前に位置するという。モーターにクラッチ機構が付かないため走り出しからエンジンが回り、それをモーターがアシストするというタイプのハイブリッドだ。
海外メーカーのハイブリッド開発に詳しい方なら知っているだろうが、BMWのこのハイブリッドはメルセデス・ベンツ、GMが共同開発したものをベースにしている。いわゆる2モードハイブリッドだ。パーツも一部供用しているようで、このコンセプトにはリチウムイオンバッテリーのワイヤハーネスのコネクター部分にメルセデス・ベンツの文字がプリントされていた。すでにメルセデス・ベンツのSクラスは今年6月にS400ブルーハイブリッドを欧州で市販する予定だ。
ハイブリッドのトップランナーであるトヨタは、プレミアムセグメントでもレクサスLSにハイブリッドを導入しているが、今後はBMWやメルセデスとハイブリッドカーでも本格的な戦いに突入することになる。