経済産業省は1月21日、レタスなどなら20毛作も可能!? - 経済産業省が「植物工場」をロビーに設置 の記事でもお伝えした、未来型農業生産システム「植物工場」のお披露目会を行った。植物工場は、光・湿温度・培養液などの環境条件を人工的に制御することで、季節に関係なく自動的に植物の連続生産を行うことを可能にするシステム。一般公開は22日より、経済産業省の別館1階ロビーで行われる。
お披露目会には、二階俊博経済産業大臣、石破茂農林水産大臣、大島理森国対委員長、高市早苗経済産業副大臣らが出席した。石破大臣はスピーチの中で、「これからは"経済産業省だ、農林水産省だ"などと縄張り争いをしている場合ではない。両省で連携して、農業を盛り上げていきたい」と、農業活性化への意気込みを語った。
二階大臣、石破大臣、植物工場の施工実績を持つ農業資材メーカー・大仙の鈴木秀典代表取締役社長によって除幕が行われると、野菜が成長している状態の植物工場が姿を現した。
引き続き、大臣らは植物工場に植えられているイチゴを自らもいで試食し、それぞれ「美味しい」と言っていた。記者にも植物工場で生産された野菜がふるまわれたので、早速、試食してみた。配られた野菜は、「ブーケレタス」「ベビーリーフ」「イチゴ」「プチトマト」。食べてみてのまず思ったのは、いずれも市場で売られている商品とまったく変わらないということだ。ブーケレタスとベビーリーフはみずみずしく、イチゴは形もきれいで甘く、プチトマトは甘みと酸味のバランスが絶妙だった。
今回、経済産業省に設置される植物工場は多段型で、上段にイチゴ、下段にブーケレタスとベビーリーフが植えられている。イチゴは蛍光灯で栽培が行われているのに対し、ブーケレタスとベビーリーフはLEDで栽培されている。LEDは赤と青の2種を用いて、光合成と同じ状態を作り出しているという。赤のLEDは植物の丈を伸ばす効果があり、青のLEDは植物を丈夫にする効果がある。ただし、LEDはまだ高価なので、今後価格の低下が進めば利用しやすくなるであろうとのこと。
植物工場はすでにさまざまな企業で導入が進んでいる。カゴメが植物工場で生育したトマトを「こくみトマト」というブランドで販売しているほか、キユーピーが「TSファーム」と名付けた自社の植物工場でサラダナやリーフレタスなどの野菜類、バラやキンギョソウなどの花類、薬草などを生産し販売している。