新ETC割引は、深夜割引以外も、100kmの手前で1度降りて、再度高速道路に乗れば、100km以内という距離制限をクリアし、新ETC割引を利用することができます。また、高速道路=NEXCO東日本の高速料金検索サイトを利用して、移動場所と出発時間などを入れれば、新ETC割引をどうやって適用できるか考えることができます。わからないときは、NEXCO問い合わせセンターに電話すると、どの新ETC割引をどう組み合わせると一番有利か丁寧に教えてくれます。

高速料金を支払ったらダブルでポイントを貯めるのは当たり前

また、ETCクレジットカードをお気に入りの提携カードなどと組み合わせていない人は、E―NEXCOpassカードを利用するのもお得。年会費無料で、ETCの支払分はE―NEXCOポイントに200円で1ポイント分として換算されます。高速料金の場合、ポイント2倍なので先ほどの鎌倉→奈良なら102ポイント分になります。さらに、ETCには独自のETCマイレージ(申し込みが必要。50円=1ポイント+α)ポイントがあり、こちらも利用していれば、ダブルで205ポイント。両方のポイントとも高速料金支払いに使えるので、往復分は次回高速利用時300円浮く形で還元できます。せっかく高速料金を払うのですから、有利にポイントを貯めて、実質の割引に還元できるように仕組みを作っておくことも大事です。

割安運転をサポートする救世主NAVI誕生!

矢野さんは「賢く車を利用するためには、投資してでも仕組みをつくったほうがいいときも」と言います。矢野さんが特にお薦めするのが、カーナビシステムの『インターナビ・プレミアムクラブ』」。

これはホンダ車のカーナビに搭載されているサービスで、このなかの「ETC割引ルート」という機能を使うと、ETC割引情報とインターチェンジ通過予測時間をナビが照合してくれて、時間帯、特定区間などを適応させてETC割引を教えてくれます(下画像参照)。時間帯や区間、距離などで適応できる割引がめまぐるしく変わるETC割引ですが、それをナビが瞬時に教えてくれて、ETC割引をフル活用できるルートを教えてくれるというわけ。

また「このナビは省燃費ルート機能を使えば、燃料消費量の少ない道(たとえば勾配の少ない道、混雑していない道)に誘導してくれます。この機能も環境にも家計にも優しくて、オススメです」。(矢野さん)。実際に交通の流れが悪くて、停車発進の多い道や、勾配のある道を通ることで燃費が悪くなることはよくあること。所要時間が短くても、ルート全体の燃料消費量は増えてしまうことがあります。省燃費ルートを使えば、もしも多少時間がかかったとしても、燃費消費量でいけば安いルートを走れたことになります。

「ガソリン代が少し下がったといっても、まだまだカーライフ派にとって、大きな負担になっています。ガソリンカードを利用するとか、少しでも安くする方法はあると思いますが、もっとも効果的なのは、エコな運転法を実践すること。アイドリングストップとよく言いますが、アクセルの踏み方ひとつで全然違いますから。私も省エネセンターのアイドリング講習を見たことがありますが、ゆっくり走るのがエコドライブではないんです」。

クルマを持たない生活という選択肢もありますが、なかなかそうはいかない人が多いでしょう。それならば、特にクルマが活躍する年末年始は、料金や運転の仕方に配慮して、少しでも家計の負担を和らげる工夫を。

聞き手 :酒井富士子氏

経済ジャーナリスト。回遊舎代表取締役。
上智大学卒。日経ホーム出版社入社。
「日経ウーマン」「日経マネー」副編集長歴任後、リクルート入社。「あるじゃん」[赤すぐ」(赤ちゃんのためにすぐ使う本)副編集長を経て、2003年から現職。近著に「20代からはじめる お金が貯まる100の常識」(秀和システム発行)「FPになろう」「定年手続きダンドリスケジュール」(インデックスコミュニケーション)「編集長の情報術」(生活情報センター)。二児の母。