ラジオCM
TVCM以外のさまざまな広告の作り方についても、簡潔に説明していった澤本氏。特に、ラジオCMについては、意外なコメントを残した。
「音は印象に残し易いんです。声がちょっと変わっていたりすると印象に残りますから。またラジオCMを作るときに難しい解説は絶対入れなければいけない訳ではありません。なぜなら最後にキャッチコピーである「牛乳に相談だ。」が入ればCMになりますから。なので、ラジオCMは実は意外と簡単にできるんです」
雑誌広告
そして雑誌広告の作り方については、TVCMやラジオCMとの違いを述べながらこう説明した。
「雑誌の広告では、雑誌の内容と絡めること、いわゆるタイアップ広告という形をとっています。これは戦略のひとつです。雑誌広告はやや難しいんですが、雑誌を読んでいる人が読みたいだろうなというものを作っていきます。これが雑誌広告の1番のポイントです。そして、雑誌広告がTV、ラジオと違うのは文章が書けるところです。それにより、情報が多く伝わっていきます。実際に作っているときは、CMというよりは記事を作っていること感覚に近いです」
ポスター
どんなに良いポスターでも、設置する場所に合っていなければ意味がないという澤本氏。ここで、中央酪農会議「牛乳に相談だ。」キャンペーンの実際のポスターを紹介しよう。
プロモーションツール
また澤本氏が、会社に入った頃にはなかったという広告形態「プロモーションツール」について語った。
「僕が会社に入ったのは1990年なんですけど、広告するものは、TV、ラジオ、新聞、ポスター、雑誌くらいしかありませんでした。しかし今、街を見回すと物凄くさまざまなものが広告になっています。携帯や、Webが広告の仲間に入ってきたときにどうやって広告に使うかということが重要になっていきます」
中央酪農会議「牛乳に相談だ。」キャンペーンのプロモーションツール。左から、絆創膏、シール、メモ帳。澤本氏は「生活導線にロゴとキャッチコピーがあれば広告になります」と何度もロゴとキャッチコピーの重要性について語った |
CM作りで重要なのは、ロゴを作ること
最後に澤本氏は、中央酪農会議「牛乳に相談だ。」キャンペーンの戦略を絡めながら、広告制作のポイントについて語り、講演を締めくくった。
「ロゴを作っているということが1番ポイントです。ただ「牛乳に相談だ。」と書いてあっても覚えないんですけど、人間には視覚がありますから、この青いロゴをみるとキャッチコピーとペアで覚えてしまいます。覚えてしまうと、遠くからこのロゴを見ただけであそこに「牛乳に相談だ。」と書いてあるのではないかという想像がつきます。だからロゴを中心に中央酪農会議『牛乳に相談だ。』キャンペーンを行っています」
とても分かり易く最後まで広告の作り方を説明していった澤本氏。最終的な結論として、「生活導線にロゴとキャッチコピーがあれば広告になります」という言葉がとても印象的であった。またCMプランナーという将来の道を考えもしていなかった彼女たちに、CMプランナーという職業をうまく"CM"したユニークな講義となった。