野尻湖プリンスホテル(長野県信濃町)はこのほど、ホテル名を「野尻湖ホテル エルボスコAWkitchen」と名称変更し、リニューアルオープンした。野尻湖に突き出した半島の一角に、周囲の自然と溶け込んだように佇む同ホテルは、「泊まる」「食べる」「遊ぶ」「癒す」のテーマすべてにおいて、「自然と共生する」ことをコンセプトとし、贅沢な大人の隠れ家的リゾートホテルとして打ち出していくという。

「野尻湖ホテル エルボスコAWkitchen」。半島に続く細い道の先に、自然と調和した建物が現れる

野尻湖プリンスホテルの建物は、1983年、現代建築家の巨匠、清家清(せいけ きよし1918 - 2005)が設計を手がけた。信楽焼のレンガを施した廊下の壁、左右にカーブしていて距離感を感じさせる廊下など、基本の設計はリニューアルした今回も変わっていない。それより余計な装飾を排除し、よりシンプルな空間を生み出すことを心がけたという。

デラックス・ツインタイプの部屋。落ち着いて洒落た大人の空間だ

すべての客室からは湖が眺められ、野尻湖を独り占めしているような感覚が味わえる。デラックス・ツイン(36.1平方メートル)、ラグジュアリー・メゾネットスイート(47.1平方メートル)など、室内もゆったりした広さ。料金は前者が3万8,000円、後者が4万3,000円(1室利用時の料金)。いずれも利用人数は2名なので、ホテルの質を考えれば驚くほどリーズナブルだ。夕食込みのプランなども用意されている。

最近は女性をターゲットにしたリゾートホテルが当たり前となっているが、同ホテルは「男性が自分の休暇のために選ぶリゾート」をコンセプトに打ち出している。働き盛りの40~50代男性は、仕事や健康などさまざまな面でストレスを抱えているもの。同ホテルの経営者である副島総支配人は「自然の中でリフレッシュする環境が整った隠れ家的リゾートホテルに奥様を誘って滞在していただき、日常から解放された自分の時間を過ごすとともに夫婦の時間を再生してほしい」と話す。女性たちに比べると、何かと元気がないといわれる男性陣だが、少年の心をくすぐるような環境に恵まれたこのリゾートホテルで休息すれば、おのずから活力が漲ってくるのではないだろうか。

レストランでは、地元の旬の野菜がシンプルに味わえるメニューも提供される

各テーマのなかで特に注目されているのは「食」の分野だ。イートウォーク社のブランド、パスタハウス「AWkitchen」(東京都目黒区)とのコラボレーションを実現させた点は大きな特徴のひとつとなっている。「AWkitchen」は国内の旬の素材にこだわり、アイデア豊かな料理で客を楽しませることで人気が高い。同ホテルでは信濃町をはじめ、地元の「旬」な食材等をどのように表現していくのかが注目される。

「遊び」も一年を通して充実している。夏は野尻湖での釣りやカヌーなどのレイクスポーツ、ゴルフなどを楽しむことができ、冬はすぐ近くでスキーが満喫できる。暖かい屋形船に乗ってのワカサギ釣りは、野尻湖の風物詩で人気が高い。この野尻湖や黒姫高原の大自然に恵まれた信濃町には、森林メディカルトレーナーが案内をする「癒しの森」コースが整備されている。森林の「癒し」効果はいろいろと実証されているので、ぜひゆっくりと森の散策も体験したい。

野尻湖は大正時代からの保養地。湖畔が緑に彩られるのはもうすぐだ

森の緑や小川のせせらぎ、風の音、木の葉に揺れる陽光は、日頃のストレスを消し去ってくれる

なお、5月11日までの期間限定で「癒しの森プラン~森林療法(セラピー)体験」プランが実施されている。内容は、森林メディカルトレーナーによる森林療法体験、AWkitchenによる夕食・薬膳イタリアン料理「スパキュイジーヌ」など。料金は、1泊2日で3万3,000円(デラックスツイン利用時、メディカルトレーナーとの体験コース、夕朝昼食付の2名1室利用時の1名料金)としている。