世の中には、周りに不快感を与えていること、うっとうしく思われていること、知らずに恥をかいていることにも気付けない、社会意識の低い「残念なオジサン」が少なくありません。そんなオジサン、皆さんの周りにもいませんか? あなたは大丈夫ですか?

そこで、『知らないと損をする男の礼儀作法』(SBクリエイティブ)の著者で、マナー講師としてテレビでも人気の諏内えみ(すない・えみ)さんが、「残念なオジサン」の代表例を挙げながら、一目置かれる「オジサマ」に変身するための心得を伝授。ドキッとした人は、こっそりチェックしてみてください!

  • 自分の臭いを意識していますか? 提供:いらすとや

ミドル脂臭は自分では気付けない

非常にデリケートかつ深刻なオジサンの「臭い」問題。不快に思っていてもなかなか指摘できず、気付いていないのは本人だけ……という状況はあるあるなのではないでしょうか。

「オジサン世代特有のミドル脂臭は、女性に強烈な不快感を与えます。私のマナーサロンに50代男性3人が打ち合わせに訪れた時も、翌日まで臭いが残っていました……。ただ、専門家によると、この臭いは仕方のないものなのだそうです。しかも、嗅覚の馴化によって自分自身では認識できなくなるのだとか。これはもう、奥様やパートナー、ご家族など、親しい人に指摘してもらうしかないようです」。

ただ、日頃から意識し気を付けることはできるはず、と諏内さん。

「汗をかいたら持参のミニタオルなどでこまめに拭く、会社に着替えを用意しておくなど、最低限の対策をやるとやらないのとではだいぶ違うと思います。夏場はもちろん、冬にも自分の臭いが籠りやすいそうなので要注意です」。

  • 「臭いに関して日々意識すべき」と言う諏内さん

臭いケアはビジネスマナー

一方で、ミドル脂臭を香りでごまかすのも問題だと諏内さん。

「臭いのケアのつもりで使っている制汗剤や香水も、つけすぎは立派なスメハラです。周りは本人以上に香りを敏感に感じていることをお忘れなく」。

また、諏内さんいわく、オジサン臭で意外と盲点なのが整髪料の香り。

「昭和のオジサンっぽい香りの整髪料を、何の疑問も持たずに何十年も使い続けている方が意外といらっしゃいます。『時代は変わっている』ことに気付くのも重要です」。

さらに、無意識にやってしまいがちな行動にも指摘が。

「会社やレストランなどで、足を組みながら片足だけ靴を脱いでいる人や、かかとを浮かせている人をよく見かけます。たとえ臭わなくても、これは重度のマナー違反です」。

他にも、口臭、食事臭、アルコール臭、タバコ臭など、スメハラの原因になりうる臭いはさまざま。

「臭いは他人から指摘しにくいもの。オジサン世代に対してはなおさらです。だからこそ、自分にもあると認識なさって、先回りケアをすべきでしょう。臭いケアは大事なビジネスマナーです。「スメハラオジサン」にならないためにも、ぜひ今日から心掛けていただきたいですね」。

取材協力:諏内えみ(すない・えみ)

結果を出す「マナースクールライビウム」「親子・お受験作法教室」代表。映画やドラマでの俳優のスマート所作指導や、テレビ出演も多数。YouTube【諏内えみチャンネル】でも活躍中。著書に、47万部突破『「育ちがいい人」だけが知っていること』(ダイヤモンド社)他。