世の中には、周りに不快感を与えていること、うっとうしく思われていること、知らずに恥をかいていることにも気付けない、社会意識の低い「残念なオジサン」が少なくありません。そんなオジサン、皆さんの周りにもいませんか? あなたは大丈夫ですか?
そこで、『知らないと損をする男の礼儀作法』(SBクリエイティブ)の著者で、マナー講師としてテレビでも人気の諏内えみ(すない・えみ)さんが、「残念なオジサン」の代表例を挙げながら、一目置かれる「オジサマ」に変身するための心得を伝授。ドキッとした人は、こっそりチェックしてみてください!
それを人前でやりますか?!
ビジネスマンにとって、「清潔感」や「身だしなみ」が大事なのは言わずもがな。ただ、ケアの仕方やケアする場所を間違えている「勘違い清潔感オジサン」が意外にも多いと、諏内さんは言います。
例えば、汗や皮脂のケア。
「飲食店のおしぼりで腕や顔や首回りまで拭いてしまうオジサン。どなたも見かけたことがあるでしょう。汗びっしょり、脂ギトギトなオジサンはいただけませんが、おしぼりで拭くのは完全なマナー違反。おしぼりとはあくまでも手を拭くためのもので、日本独特の心遣い、おもてなしなしとなります。汗はハンカチ、タオルや市販の汗拭き用品で」。
また、食後の口元ケアの勘違い。
「口の周りにソースがついていたり、歯のすき間に食べ物が挟まっていたりするのは、身だしなみの観点からはNG。では片手で覆い隠すのがマナー? いえいえ、これも勘違マナーです。その所作は余計に目立ってしまうことも。どうぞ洗面所でお願いいたします」。
さらに、爪のケアについても。
「会社で爪を切っているオジサン、中には足の爪まで切っている人がいるとか。爪が伸びていることに無頓着なオジサンもよろしくないですが、隣のデスクで『パチン、パチン』と音がするのは決して気分のいいものではありません。ケアは家ですべきですよね」。
自分の行動、姿を見つめ直す
自分よがりの清潔感は、身だしなみとは言えません。そんな当たり前のことでさえも、周りから指摘されないと怠ってしまいがちだと諏内さんは言います。
「まずはオジサンには、自分の何気ない行動が想像以上に人に不快感を与えているかもしれない、ということに気づいてほしいのです。身だしなみで大切なのは、相手への配慮と敬意です」。
加えて、オジサンはもっと、自分自身を鏡でよく見るべきだと諏内さん。
「清潔感は見た目の印象です。しかし、オジサンは鏡を見ない方ばかり。多くの方が、朝の身支度の時に、洗面所の鏡で上半身を大雑把にチェックする程度のようですが、それでは不十分。会社にも、得意先にも、チェックの厳しい女性が待ち受けているのですから無防備すぎます。1日数回は鏡をしっかり見て全身の姿を確認することも、ビジネスマナーと心得てくださいね」。
取材協力:諏内えみ(すない・えみ)
結果を出す「マナースクールライビウム」「親子・お受験作法教室」代表。映画やドラマでの俳優のスマート所作指導や、テレビ出演も多数。YouTube【諏内えみチャンネル】でも活躍中。著書に、47万部突破『「育ちがいい人」だけが知っていること』(ダイヤモンド社)他。