世の中には、周りに不快感を与えていること、うっとうしく思われていること、知らずに恥をかいていることにも気付けない、社会意識の低い「残念なオジサン」が少なくありません。そんなオジサン、皆さんの周りにもいませんか? あなたは大丈夫ですか?

そこで、『知らないと損をする男の礼儀作法』(SBクリエイティブ)の著者で、マナー講師としてテレビでも人気の諏内えみ(すない・えみ)さんが、「残念なオジサン」の代表例を挙げながら、一目置かれる「オジサマ」に変身するための心得を伝授。ドキッとした人は、こっそりチェックしてみてください!

  • ドヤ顔おじさんの自覚はありますか? 提供:いらすとや

ドヤ顔オジサンの生態

「オレの若い頃はさ~」「今のヤツらはいいよな~」と、昔の成功体験や苦労話を得意満面に語るオジサンを、電車の中でよく見かけると諏内さん。

「隣に座って話を聞いている部下の顔が引きつっていることにも、周りの乗客が冷ややかな目で見ていることにも気付かず、『さすがですね!』という部下の社交辞令の相槌を真に受け、ドヤ顔で気持ちよさそうに語っているオジサンの姿は、『イタイ』と思われてしまうかも。過去の武勇伝より、これからのことを語れる上司の方が素敵です」。

また、オジサンがドヤ顔になりやすいのが趣味の話。

「ワイン、車、時計など、自分の趣味に関するうんちくを、エンドレスで語ってしまうオジサンは少なくないようです。相手が興味を持って聞いてくれている、共感してくれているように見えても、話が合うフリをしているだけの場合もありますから、5割程度に受け止めるくらいが丁度いいかもしれませんね。やりすぎると引かれます。止めどころが大事です」。

  • 「うんちくを語る場合は止めどころが大事」と指摘する諏内さん

10個の話題でドヤ顔オジサンから脱却

なぜオジサンは、武勇伝やうんちくを語りたがる、または語ってしまうのでしょうか。それには理由があると諏内さん。

「話題が少ない、持っていないから、自分のことばかり話してしまうのだと思います」。

諏内さんのマナースクールにも、そういった悩みを抱えて訪れるオジサンはいるそう。

「口下手だとか、初めて会う人と会話するのは苦手だからと努力なさらないのは大人としては甘えになってしまいます。話題作りのトレーニングとして、先ずは話題を10個用意しましょう。それが社交であり、大人のマナーです」。

ポイントは、誰とでも話せる話題、または相手との共通の話題を見つけること。

「お天気や、その場所についての話は基本ですが、新しい話題、みなさんが話していない話題の方が、相手にデキる男の印象を与えます。常にトピックを探す努力をすることが大切なのです。

オジサンは、本能的に誉めてもらいたい願望が強いよう、と諏内さん。とはいえ、誰もがそんな温かい目で見守ってくれるわけではありません。自らを省みる努力を怠っていると、いつの間にか「はだかの王様」になりかねないですね。

取材協力:諏内えみ(すない・えみ)

結果を出す「マナースクールライビウム」「親子・お受験作法教室」代表。映画やドラマでの俳優のスマート所作指導や、テレビ出演も多数。YouTube【諏内えみチャンネル】でも活躍中。著書に、47万部突破『「育ちがいい人」だけが知っていること』(ダイヤモンド社)他。