前回のコラムでは今在宅ワークの主流になりつつあるクラウドソーシングがどのようなものなのか、またどのような経緯で成り立ち、日本で広まっているのかについて説明させていただきました。今回はそのクラウドソーシングを使って実際にどのような人たちが仕事をしているのかについて、ご説明したいと思います。在宅ワークというと主婦が行っているイメージが強いと思いますが、最近はその傾向が変わりつつあります。
在宅ワークは主婦に限らず!? 今実際に在宅ワークしているのは誰?
一昔前の在宅ワークというと、もっぱら"内職"と呼ばれていたシール貼りや縫製作業などが一般的でした。この頃内職の担い手は主婦が主流であり、そのイメージから現在でも在宅ワークというと主婦がやるものだと思っている方がほとんどだと思います。現在も在宅ワークを行っている方は主婦が中心ですが、その利用者の傾向は少しずつ変化しています。
例えば弊社の運営する「shufti(シュフティ)」の利用者属性でいいますとサービス当初の利用者はほとんどが主婦でしたが、近年はアルバイトやパートで働いている方や会社員の方、学生の方も少しずつ増えています。アルバイト・パートや会社員の方は本業とは別に在宅ワークを行うことによって、第2、第3の収入源を確保しているのだと思われます。学生の方の場合は、学業の合間に行うアルバイトの代わりに在宅ワークを行っているようです。
それでは実際にどのような方が在宅ワークを行っているのでしょうか。実際に「シュフティ」を利用している方を事例としてご紹介したいと思います。
本業は猫カフェ。本業の合間をぬってクラウドソーシングで副業
まずご紹介するのは本業として猫カフェを経営しながら、その合間でクラウドソーシングを利用している大阪にゃんこ(「シュフティ」上のユーザー名)さんです。
様々な種類の猫に触れているうちに、その魅力を他の人にも知ってもらいたいと思い、猫カフェを始めた大阪にゃんこさんは、大阪道頓堀で「猫の爪痕」という猫カフェを経営しています。そんな大阪にゃんこさんがクラウドソーシングを使った在宅ワークを始めたのは、平日昼間の来店客が少ない時間帯を有効活用するためだそうです。おもに、文章作成や画像加工などの仕事を受注しているそうです。ただ、クラウドソーシングで在宅ワークをする理由はそれだけではありません。将来的に猫カフェを辞める場合の収入源を確保しておくことも踏まえて「シュフティ」を活用しているとのことでした。まさに、本業とは異なる第2の収入源としてクラウドソーシングによる在宅ワークを活用している事例だといえます。
学生のお小遣い稼ぎはクラウドソーシングで!?
次のご紹介するのは学生でありながら、クラウドソーシングを活用しているpotihiro(「シュフティ」上のユーザー名)さんです。
学生がお小遣い稼ぎといえばアルバイトというイメージが強いと思いますが、potihiroさんはクラウドソーシングでお小遣い稼ぎをしています。主にデータ入力やライティングのお仕事を受注しているとのことで、アルバイトでありがちなシフト制による時間的な束縛がないのが一番の魅力だそうです。また、将来はファッション関係の会社を起業したいという夢を持っているpotihiroさんにとって、ファッション関係の仕事に絞って受注ができたり、ビジネスの一面を経験できることがアルバイトにはないメリットになっているそうです。今は、potihiroさんのまわりにはまだクラウドソーシングを使っている学生はいないということですが、今後クラウドソーシングが学生のお小遣い稼ぎの定番になるかもしれませんね。
<著者プロフィール>
田中偉嗣(たなか たけつぐ)
株式会社うるる シュフティ事業部 部長。2006年早稲田大学卒業。新卒でベンチャー支援事業を行う企業でファイナンシャルアドバイザー、営業部長などを行う。その後、2009年に新卒で入社した企業より事業譲渡を受け独立。パートナーズ株式会社 代表取締役に就任。2010年株式会社うるる入社。2011年にシュフティ事業部長に就任し、その後主婦向けクラウドソーシング「シュフティ」事業部を牽引。毎月一回在宅ワーカーにインタビューを行うなど、在宅ワーカーの動向に詳しい。