皆さん、「クラウドソーシング」という言葉を聞いたことはあるでしょうか? 「在宅ワーク」の方が身近かもしれませんね。前回も引用させていただいた昨年弊社が子育て主婦600名を対象に行なったアンケート調査によると、言葉と意味を知っている方はわずか12.0%で、63.5%の方が言葉も意味も知らないと回答しています。今はじめて「クラウドソーシング」という言葉を聞いた方もなんとなく難しそうだなと感じているのではないでしょうか? でも実は全然難しいことではないんです。
始まりは1999年、アメリカから世界へ
クラウドソーシング(Crowdsourcing)は英語で群衆という意味のCrowd(クラウド)と、業務を依頼するという意味のSourcing(ソーシング)を合わせてできた造語で、2005年にアメリカのジャーナリストであるジェフ・ハウ氏とマーク・ロビンソン氏が作った言葉です。
ただ、クラウドソーシングを仲介するサービス自体は1999年にアメリカでできた「Elance(イーランス)」というサービスが初めてだと言われています。実は日本で初めてのクラウドソーシングサービスである「shufti(シュフティ)」を作ったのは筆者がいる株式会社うるるなのですが、こちらもシュフティが2006年にできてから2011年まで、なかなか日本国内でクラウドソーシングが広まらなかったという歴史があり、日米で奇しくも似たような経緯を辿っています。
さてCrowd(クラウド)とかSourcing(ソーシング)という横文字で聞くと非常に難しそうに感じますよね。そこで日本語で簡単に説明しますと、クラウドソーシングとは要は"インターネット越しに仕事を依頼したり受託したりすること"を指します。さらに分かりやすく例えると、あなたの友人の会社が手書き資料のデータ化に困っていて、友人から頼まれ少し報酬をもらってデータ化を手伝ったとします。これも立派なクラウドソーシングの一つです。横文字だったり、インターネットやPCを使うということで複雑に感じますが、実態は非常にシンプルです。
クラウドソーシングと他の働き方の違いってなに?
ではクラウドソーシングでのお仕事はどのように探せばよいのでしょうか? このクラウドソーシングの仕事を探すことができる場がクラウドソーシングサービスです。クラウドソーシングサービスはインターネット越しに仕事を依頼したい企業や個人と、インターネット越しに仕事をしたい個人(一部法人)をうまくマッチングし、また安心安全に業務や報酬のやり取りができるように仲介するサービスでPCやスマートフォンで利用できます。
働く側にとってクラウドソーシングの一番のメリットは"時間や場所に囚われないで働ける"ことです。インターネット越しですので、北海道にいながら沖縄の企業から依頼された仕事をすることができてしまいます。また1日5時間拘束の事務作業を依頼されるのではなく、資料のデータ化を50枚分1週間以内にというように、業務量ごとに依頼されます。そのため期日に間に合えばいつ作業してもよく、真夜中でも早朝でも自分が仕事しやすい時間を選ぶことができます。当然インターネット越しに仕事をしますので通勤の時間もありません。通勤に往復で2時間掛けたりすることを考えると、時間の節約にもつながります。
自分に合ったクラウドソーシングサービスの探し方とは
先ほど紹介させていただいた通り、日本でも2006年に初めてのクラウドソーシングサービスであるshufti(シュフティ)が出来て以来、数多くのサービスが立ち上がっており、現時点で100を優に超えるサービスが存在しています。今回のコラムでは最後に自分に合ったクラウドソーシングサービスの探し方をご説明したいと思います。
クラウドソーシングサービスはそれぞれ扱っている(得意としている)仕事の種類と、仕事の難しさが異なっています。下記に代表的にクラウドソーシングサービスとそれぞれ得意とする仕事の種類・難易度をまとめましたのでぜひ参考にしてみてください。今回あげた以外にもたくさんのクラウドソーシングサービスがありますので、ぜひ自分がやりたいと思える仕事があるサービスを見つけてください。
(※下記はデザインコンペなど特定の業務ジャンルに特化していない、総合型のクラウドソーシングサービスに限って記載しております。)
(※下記はあくまで各サービスの得意とする業務ジャンルと業務難易度の平均になります。実際には幅広いジャンル、難易度のお仕事が掲載されております。)
得意な業務ジャンル:システム開発やデザイン制作、業務難易度:高~中
得意な業務ジャンル:データ入力やライティング、業務難易度:中~低
得意な業務ジャンル:簡単なライティングやアンケート、業務難易度:低
<著者プロフィール>
田中偉嗣(たなか たけつぐ)
株式会社うるる シュフティ事業部 部長。2006年早稲田大学卒業。新卒でベンチャー支援事業を行う企業でファイナンシャルアドバイザー、営業部長などを行う。その後、2009年に新卒で入社した企業より事業譲渡を受け独立。パートナーズ株式会社 代表取締役に就任。2010年株式会社うるる入社。2011年にシュフティ事業部長に就任し、その後主婦向けクラウドソーシング「シュフティ」事業部を牽引。毎月一回在宅ワーカーにインタビューを行うなど、在宅ワーカーの動向に詳しい。