連載『今度こそ続くシンプル家計術』では、オンライン家計簿アプリ「Zaim」の綿島琴美氏が、初心者の方でも続けられるシンプルな家計管理術をお届けします。

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初心者こそ、手抜きでオッケー

家計簿といえば、3日坊主の代名詞。「こんどこそやるぞ!」と意気込んでとりくみ開始、でも気づくと手つかずの状態に…。こんな経験をされた方、きっとたくさんいらっしゃるのでは? もしかしてそれ、"カンペキな家計簿を目指しすぎ"なのかもしれません!

前回もお伝えしたように、家計管理は部屋のお片づけとよく似ています。毎日家中をきちんと整理整頓…なんて時間も気持ちも追いつきませんよね。「拭き掃除はつらいけど、掃除機はこまめに」といった様に、掃除でもお片付けでも自分なりのメリハリの付け方があるものです。

同じように家計簿もパーフェクトは目指さなくても大丈夫。そう、家計簿だって、手抜きでいいんです!

カテゴリ分けのストレスから自分を開放

家計簿挫折の最初の壁、それは費用項目の分類です。例えば、家計簿の一般的なカテゴリ分けなら"食費・日用品・レジャー・交際費…"などなど。レシートを見ながら「これは食費」「こっちは医療費」と分類することが多いはず。

でも、家計をきちんと捉えようとすればするほど「友人と出かけた先での外食は、食費? レジャー? 交際費??」と手が止まってしまうんです。こうなると、とたんに家計簿にかける時間がやたらとかかる!

実は、私自身も、家計簿初心者の時につまずいたのがココでした…。「やるからにはきちんと」の心がけは悪くないものの、面倒さを感じ出すと家計簿を開くのすら気が重いほどに。

そこで私は「支出を分類しない」と思い切って自分を甘やかすことに! カテゴリは「使ったお金」に超ざっくりと一本化。内容は気にせずひたすら使ったお金を積み上げて、振り返りは週末に合計金額をチェックするだけというざっくり管理に変えました。「今週は先週と比べてどうだったかな?」と意識して、翌週を迎える。たったこれだけだったのですが、お金の向き合い方にぐっと変化が生まれました。

実はこのシンプル管理術でも、家計管理の第一歩「支出額をきちんと把握する」をきちんとクリアできているんです。続くためには"ストレスを感じないこと"が肝心。もちろん、楽しんでできるならカテゴリは正確に分けたほうが振り返りには便利です。でも、まずは自分が楽しくお金と向き合えるかどうか、がいちばん大切なポイントなんですよね。

もっともっとシンプルにしてもいい

他にもオススメなのが、自分が気になる部分に絞った"ねらい撃ち家計簿"。例えば、コンビニで買物をすることが多い方なら、【コンビニだけ】カテゴリを作る。他はまるごと無視しても、そこで使った金額だけを記録。1週間にいくらコンビニでお金を使っているか?を知るだけでも、翌週の行動はガラリと変わります!

他にも【カフェだけ】や【外食だけ】など、自分がお金をよく使っているな~というカテゴリに絞って支出を記録してみてください。お金の使い方の傾向がわかると、毎日の暮らしも見えてくるのが面白いところです。

記録は、ノートや手帳でも何でもOK。スマホからなら家計簿アプリが手軽で便利です。オリジナルカテゴリのカスタマイズもでき、自動で合計金額が表示されるので、面倒な集計作業もいりません。記録漏れを防ぐためにも、買い物したらすぐにレジの前で入力してしまうのもオススメです!

家計簿にストレスを感じるなら、ぜひ自分の毎日にぴったり合った「◯◯だけ」を見つけてみてください。"家で・じっくり・きっちり"な家計管理から、一歩離れてみるのがオススメです!

執筆者プロフィール : 綿島琴美(わたじま ことみ)

家計プランナー、2級ファイナンシャル・プランニング技能士。Android, iPhone, iPad や Webから利用できる日本最大級の家計簿サービス「Zaim」にて、としてユーザーへの家計サポートを行う。レシート自動読取り機能や銀行とのデータ連携など、アプリを活用した家計の仕組みづくりを提案。初の監修本『Zaimのシンプル家計術』(ナチュラルライフ編集部編、税込み842円)が学研プラスより好評発売中。