ブラジル、フォルタレーザに到着後もばたばた取材などがありましたが、次の日からライブや握手会が始まりました。現地時間の7月11日は、ヒカルドと和田光司さんのライブ。そして、その前の時間には私とNOBさんのサイン会。たくさんの方が並んでくださり、サインを書き書き。でも少し日本と違います。いつも思うんですが、外国って、色紙じゃないんです。いや、色紙でなくてもいいんですけど、コピー用紙のようなメモ紙にサインするんですよね(笑)。

なので、「あれ、すぐ破れるんじゃないか?」と、ちょいと心配になったりするのですが、それでもコピー用紙に書き書き。そう、日本で作った「松澤由美ポストカード」も何枚かありましたので、そちらにもサインして差し上げました。そうこうしているうちに握手会は終了。"さぁ、ヒカちゃん、光司さんのライブ見てと!"と思いきや、「VIP対談があります」と言われました。

え、エライ人が来るの? そう思っていたら、普通の女の子や男の子数名が控え室に。なんでVIPなの? と思い、スタッフに聞いてみたところ、通常のチケットにプラスでVIPチケット代を払うと、アーティストと対談できるとおっしゃっておりました。そんなこと一言も聞いていなかったですが(笑)。

その中のひとりの女の子がかなりのNoBさんファンだったらしく、わなわな唇を震わせて、今にも失神しそうな勢い。そりゃそうだろうなぁ、大好きな人が目の前にいるんだもんなぁ、なんて思っていたのでした。そうこうしているうちにライブ会場へ移動になり、音チェックも少しだけで本番の時間に。そうそう、本番直前にはテレビの取材などでインタビューもされました。オシャレウォッチング的なものもあったんですよ。

ステージではヒカちゃん、和田光司さんの熱いライブが繰り広げられていて、私とNoBさんは時差ボケでぽぉ~っとなりながら楽屋でライブを聴いていたのでした。そう、今回の7月11日のヒカルド、和田光司さんライブ、12日のNoBさん、松澤由美ライブはカラオケライブでした。12日のライブは移民100周年ということもあり、浴衣で登場した私ですが、すごい盛り上がりでした! やはりすごい人気なんですね、『聖闘士星矢』。私としては日本代表、日本ぽく、しかも浴衣なんか着ちゃって気合十分!

が、ここで告白します。これまで誰にも言ってませんでしたが、日本代表の私、ちょっち間違えました。実はぁ~、浴衣の着方、反対だったのです(笑)。日本代表なのに、それじゃ死んだ人になっちゃう~。さあ行くぞ! というときに「あれ、逆では?」と指摘され、着直す時間もなかったので、ここは気合! 歌ー!! と勢いよく何事もなかったようにライブで歌ったのでした。

ライブ最終日となる7月13日は、4人全員で生演奏ライブ。本番当日は歌に専念ですが、どうしてもビーチに行きたい! という私のわがままで、ライブ当日の昼間にとってもキレイなビーチに連れて行ってもらったのでした。ヒカちゃんはこの前日、38度ぐらいの熱を出していたのにも関わらず、海の中。光司さんもちゃんと海パン持参で泳いでいらっしゃいました。私は実家にビキニというものを置いてきてしまっていて、いわゆる「競泳水着」チックなとっても恥ずかしいワンピースの水着でしたが、☆柄だったことと、やはりこんなキレイなビーチで泳がないなんて! と思いましたので、すぐ競泳水着で泳いだのでした。

NoBさんはといえば、泳ぐ前日から「いや、ライブ本番当日だからビーチは……」と言っておられました。でも、「こんなキレイなビーチに来ることもそうそうない」ということで参加されていました。けれど、NoBさんはずっとイスに腰掛けて海を眺めています。

由美「NoBさん泳がないんですか?」
NoBさん「海パンないし……」
由美「せっかくだし、泳いだらいいですよ。ショートパンツで大丈夫ですよ」

私のマネージャーも水着は持っていなかったのですがショートパンツで泳いでいて、彼女の推薦もあり、「そっか! 泳ぐか!!」とショートパンツで泳ぐNoBさん。結果、すごくキレイなビーチでアーティスト4人は海の中へ。泳いだ後は、遊び疲れなのか時差ボケなのかわからないままライブ会場へ。会場はというと、なんとびっくりです。最後尾が見えないほど並んでくれている……。それまで2日間もたくさんの方が足を運んでくれましたが、最終日はそれを遥かに越えた人数の方が並んでいました。スタートの時間になっても最後尾は見えず、急遽時間を押して、最後尾の方が会場に入るまでライブの時間を待とう! ということになりました。夕暮れせまるこの瞬間、日本から来たアーティストたちはフォルタレーザまで来てよかった! と感じていたと思います。なんだか泣きそうになるぐらい嬉しい瞬間でした。

そして本番が始まりました。バンドも出演するみんなもおもいっきり歌と演奏をされていたと思います。ちなみにですが、「地球ぎ」のはじまりって、バンドライブのときは私のリズムでアカペラな感じで歌うのです。けれどこのときは、ブラジルのみんなが一緒に日本語で大合唱してくれ、私のテンポではなく、みんなのテンポに合わせて歌ったりしたのには、自分でも驚きました(笑)。

この日は、なんと2万人の方が会場に集まったということで、NoBさんの「ペガサス幻想」もすごい人気で迫力あるライブでしたし、ヒカルドも風邪で声が出ないにも関わらず会場を盛り上げてくれていました。和田光司さんは自身の曲最後のメロディに合わせて「フォルタレーザ♪」と歌われていて、「きゃ~!」という声援を浴びていたりと、かっこよかったです。内心「あ、今度マネしよう」そう思ったのでした(笑)。

地球の裏側への旅&ライブ。なかなかできる経験ではないと思います。私の場合、いつか誰かに聴いてもらえたらいいなぁと思った歌が、日本のファンの方はもちろん、こんな遠い世界の人たちと一緒に歌えたことがすばらしい出来事であり、よい経験になりました。日本に帰ってきてから自身のライブがありましたが、ライブに来てくれたお友達に「何かあった? 歌が成長した気がするけれど」と言われました。この夏の経験、ブラジルで歌ったこと、ご一緒させていただいたアーティスト、先輩たちの輝いてる姿に「負けてられないな!」と思ったからかもしれません。

ライブ参加メンバーの方たちと記念撮影

だって、ブラジル新聞のインタビューでも応えていらっしゃいましたが、ウン才ですってイイオトナが、ステージに上がった瞬間に10代に変身してキラキラしているんですよ♪ 信じられないけど、本当です(笑)。「28ちゃいデス」なんて言ってられないですよ。目標は「歌う瞬間ピュアキラキラ」ですね(笑)。

そういえば、今回は「ひとりかくし芸」も披露しました。ギター弾き語り「地球ぎ」ポルトガル語バージョン♪ 実はですね、ギターでひとりで歌うのもポルトガル語で歌うのも初のこと。まして2万人の前で歌うのも初めて。あまりに緊張しすぎて、「Yumi! Matsuzawa~!」と呼ばれてステージ出る瞬間にマイクを持っていないことに気付き、「あー! マイクがない!!」と慌てて、NoBさんが走って楽屋からマイクを持ってきてくれたというエピソード付きでございました。

歌っていると、良いこともそうじゃないことにも出逢うわけですが、やってみないと何にも出逢わない。それならすばらしい出逢いや、経験のためにまた一歩ずつ歩いていきたいなと。そう、できることは地道なことなのかもしれませんが、今回ブラジルの移民100周年に日本人として貢献してくれました、ということで名誉賞なる盾までいただき、グッと感じるものがありました。歩いてきてよかったなぁって。そして私の旅はこれからも続いていきます☆