前々回から続いてきたTBS『レッツゴー!ライオンズ』のお話もいよいよ最後となりました。熱心な読者のみなさんには、すでにわかっていただけたかと思いますが、野球無知な私。それを見かねてか? ディレクターは私にスコアブックをつけるようにと、書き方を教えてくださり、毎回球場へ取材に行った際には記者席で記録していました。

あれって不思議ですね。書けるのに、読めない! それって……私だけ?(笑)。

取材内容の確認のためでもあるので、読めないといけないのに全然読めてない私。それでも一生懸命試合を見てカキカキ。そんなある日、またやっちゃいました。そのときは記者席の一番前に座ってスコアを書いていて、もちろん目の前はガラス張り、キャッチャーのすぐ後ろ辺りのかなり丸見えの場所だったんです。となりには有名なフジテレビのアナウンサーさんなんかもいる場所で、「うとうと」きちゃったのです!!

しかも私、眠るときは、机に頭を乗せないと眠れない(いや、仕事中は眠っちゃダメなんですけど)。そうなんです、よく授業中に居眠りしている人みたいに思いっきり机に頭をペタっと置いて眠ってしまったのです。バレないだろうなぁ~と内心思いながら夢うつつ。記者席のドアが開き、ディレクターが大慌てでやってきました。

当時の西武ライオンズ監督の東尾さんが気付き、「TBSのレポーターが眠ってる」と言われたそう。だって、テレビにもヘタしたら思いっきり映っちゃいますもんね。今思うと、背筋が凍るようなことを日常茶飯事的に起こしていたようです。本当に失礼しましたぁ。

そんな感じでプチ珍事件を起こしてしまう私に、東尾さんもときどき声をかけてくださいました。確か「おい、ペチャパイ」だったような(笑)。あの……活字にすると微妙ですけど、とてもフレンドリーに声をかけてくれたことが嬉しかったです。

『レッツゴー!ライオンズ』は土曜の早朝から放送していたわけですが、金曜のナイター終わりに編集して、原稿を作ってからナレーション録り、というかなりヘビィで危険な感じのスケジュールでありました。まず、終電ぐらいでTBS入り。原稿を待ってからナレーションを録る。ここでNGを連発しようものなら、放送できないですからね! 確か決められた時刻前に映像諸々ができていないと、放送事故扱いで放送中止となる決まりがあったような。その場合、テレビには蝶々とかのイメージ映像が流れることになるのです。

一度ギリギリになったことがあり、スタッフみんな冷や汗だったこともあったなぁ。で、収録が終わると、朝方前にタクシーでお家まで帰る感じでした。こんなとんでもない私でしたが、『レッツゴー!ライオンズ』では2年間もお世話になりました(実質はシーズン中だけなので、2シーズン番組でしたが)。

一緒にレポーターをやっていた女性は、その後フリーアナウンサーになり、お天気予報のお姉さんや夕方のニュース番組で活躍されてましたが、ただいまはアメリカに留学中で大学に通っているのです! 私よりツワモノがいた(笑)。

『レッツゴー!ライオンズ』は、原稿も読めない、野球も知らない、ときどき眠る、一般常識もゼロに近かった私にとって、本当に勉強になるお仕事でしたね。このときのことがあるからこそ、ちょっとのことではビビることもなくなりました(笑)。そのあとのお仕事やオーディションでも役に立ちましたよ!

やはり人間は、身にもって体験すると実になる(笑)。

そんな小さな積み重ねのひとつひとつが自信に繋がっていくのだなぁ、と思うわけです。そこまで一緒に付き合ってくださって、育てていく側が偉いなぁ、すごいなぁと、今になって思います。そんな風にして少しずつ人間らしく成長していく私に、次のオーディションのお話が!

ちびベイビィ、プウアと

なんとそれは、消費者金融のイメージキャラクターのオーディション! いまでこそなぜかアイドルの登竜門のひとつにもなったお仕事ですが、当時はようやくテレビでもCMが流れ始めたころ。。また、イメージキャラクターをやっている方は、昔売れたことのあるタレントさんとかで、まだどこかマイナーなイメージがある時代でした。

ですからタレントではなくても、売れてるモデルのコたちにとって消費者金融のイメージキャラクターに抜擢=銀行のCMなどには数年出れなくなるから微妙だわ、なんて思われていたわけです。とはいっても普段のお仕事に比べれば大きなお仕事ですから、競争率も激しい。なんせ私にとっては、
「銀行のイメージキャラクターになる予定ないし、ラッキィーチャンス!!」
と思っていました(笑)。

またしてもオーディションには、タレント並みにCMなどで活躍しているモデルたちがズラリ。そりゃそうです。ギャラだってきっといつもの数十倍でしょ!? みんな気合が入っているわけです。私はといえば、有名モデルを見てちょっぴりビビっていたのですが、ここで「あの人たちに負けてると思ったら負けるわ」……格闘技でもないので、勝ち負けではないですが、でもやはり勝たないと! 最後のひとりにならなければイメージキャラクターにもなれない!! んー、どうしよう? そして思いついたのが「はったり大作戦!」でした(笑)。

今思えば、はったりだったなぁと。それについては次週ゆっくり、じっくりお話したいと思います。あ、オーディション成功話ばかりですが、失敗談なども次回お話しちゃいますね。ではぁ、See you soon