ひとつのことをやろうと思うと、ほかのことが気になり、違うことをしてしまう。そんなことってないですか? ちなみに私の場合、日常的にそんなことばかりで、一瞬これはもしかしてヤバくないのかしら? と思うほどなんですが、実際に今も原稿を書こうと思い、パソコンの前に行くと、その瞬間に洗濯物をたたみだし、さ~て書こう! と思って座ると、お茶をいれようとまたキッチンへ行く。

いろんなことに興味がわく(移る?)、今週の私です

さあ今度こそは! とパソコンの前に行くと、今度は洗濯しようと洗濯機の場所へ。そんなことを繰り返すので、結局書いている時間は1時間だとしても、その倍以上の時間が経過していたり……。もっとすごいのは歌詞を書くときなどで、1日の大半(10時間以上でしょうか)、書くために机の前で準備しているわけですが、まったく違うことを10時間近くやりながら、頭の片隅ではずっと歌詞のことを考えてたりすることが多いです。やらなくちゃいけないんだけれど、考えているうちに「うーんうーん」となり、違うことをやり出すんですね。

はたから見るとかなり無駄な時間を使っているように思われます(まだ10時間で終わればいいですが、答えのない仕事なので大抵は何日かそのような状況が続いたりします)。で、これも病気の一種かな? と思ったのですが、アニソン歌手の谷本貴義さんに話したところ、谷本さんも作詞や作曲にあてた日のほとんどの時間を違うことで過ごしてしまうそうです。それを聞いてちょっと安心しました。どちらにしても時間に追われていたり、切羽詰るとやらなければいけないわけであって、特に私の場合は「夏休みの最終日に泣きながら宿題をする」タイプでもあると思うので、それがいまだに続いているのかもしれません(笑)。

さらに続く「地球ぎ」誕生秘話

さて「地球ぎ」誕生秘話ですが、『聖闘士星矢』の主題歌に決まった「地球ぎ」の初披露の試写会のときのお話です。確か銀座になる大きなスクリーンのある会場で行われたのですが、そのときにはじめて原作者の車田先生にお会いします。なんと、そのときの最初の言葉が、「あの主題歌、本当に星矢にあっているのかと思ったけど、こうしてオープニングの絵と合わせて、なるほどなと思った」とおっしゃっていたのです。やはり先生は躍動感のある、それまでのイメージがあったようでした。

車田先生「地球ぎを書いたような女の子は、すんごく暗くて、みつ編みとかしている10代の女の子のイメージがあったけど」

と言われ、「君は新人?」とおっしゃっていました。それまでに『機動戦艦ナデシコ』なども歌わせていただいていたので、ある意味アニメも歌ってきているからという実績も加味してくれているのかもなぁ、なんて思っていたのです。けれど、まったく私の情報もなく、純粋に決めてくれていたんだなぁと思い、それはそれでとても嬉しかったのを思い出します。

実際には、今までにアニソンをたくさん歌ってきたわけではなく、最初のきっかけに『機動戦艦ナデシコ』のOPテーマを歌わせていただき、そのほかの作品も本当にたまたまご縁があってアニメやゲームの主題歌などを歌わせてもらえたのです。ビッグタイトルのナデシコや『聖闘士星矢』などを歌わせていただいたことで、世界中で聴いてもらえる機会ができたことは本当に嬉しく思います。

そして今はまた地道に作品制作の期間かなぁと思いまして、また勝手にいろいろ創っているわけです。なにせ注意力散漫の松澤さんは、今日もいろんなほかのことをやりだしています(笑)。それではまた次週お会いしましょう☆
See you soon love xx.