高校3年間も、なんら変わらず過ぎていき、歌手になりたいという夢はありつつも、現実的な夢ではないなぁと思っていたりで、
「ならばインテリアデザイナーはどうかしら? それなら現実的だし、ファッションのほうが好きだけど、絵とか描けないしなぁ」
そんな安易な考えで、インテリアデザイナーの学校へ進学。ところが、他の"なりたいもの"よりもずっと難しい製図なんかも出てきたり……。えぇ~!! こんなの設計できないしぃ~向いてないな、と入学後すぐ気づいてしまいました。そんなときに突然やってきたのです。モデルデビューの日が!

どんな風になったの? スカウト? それとも応募しちゃった? いえ。全然ドラマチックでもなんでもない始まりでした。クラスの同級生の真面目な子が言ったのです。
「なんかね、雑誌社の人が撮影するのに人が足りなくて探してるんだって! でももう休み時間終わるし、断っちゃった。授業あるしねぇ。1回撮影して5,000円くれるとか言ってたなぁ」
「えぇ~、5,000円くれるのぉ!? やるやるぅ~」
その瞬間、挙手をした4~5人の女子のひとりが私でしたw

さっそくその女子達で授業をサボって撮影へ。ティーンズ雑誌の撮影ではあったけれど、どうやら教室にいて質問などに答えている女の子達の写真が欲しかったみたいで、お洒落でもなんでもない感じで撮影は終了。そして5,000円。ところが帰り際にカメラマンだったか、編集の方だったか、「また撮影があるんだけど、どう?」と聞かれたのです。こんなに楽しくって5,000円もらえるならまたやりたいなぁと、「はい!」と即答。

その次の週ぐらいには、もうちょっとちゃんとしたモデルっぽい撮影が始まりました。最初のアホな質問に答えている写真を一緒に撮った友達には、「スタートラインは一緒だったんだけどねぇw」なんてだいぶ経って言われましたw

そんなこんなで撮影をしているうちにまた私のひとり妄想が始まり「これはモデルでいけるんじゃないか?」……そんな風に勘違いし始めた頃、事務所に所属しているプロのモデルの子と一緒の撮影になりました。で、思いきって聞いたんです。
「私って事務所とか入れるのかな?」って。
プロモデル「え、入れるよ! うちの事務所紹介してあげるよ」
そんな答えが!(そんなに簡単になれるのかよぉ~! やったわぁ~! これで私もプロモデル!!)と心の中で叫んでいましたっ。
プロモデル「あ、でもいちおう事務所入るのにオーディションあるから! 私からの推薦だからたぶん大丈夫だと思うよ」
えぇ~!? 事務所入るのにオーディションがあるわけぇ。しかもお情けのように「推薦してあげる」って……落ちたらかっこわるぅ。心の中でまたしても叫びました。

でもまぁ、せっかくだし受けてみよう、と事務所オーディションへ。あ、ここでひとつ知ったのは、世の中には自分よりうんとかわいい人がいて、プロでやってる人から言わせれば私なんてただの"一般人"だってこと。そしてその"一般人"はかわいいプロよりも当然「下」扱いにされること。田舎の小さな世界しか知らない私は、そんなことでいちいち衝撃を受けていたのでした。

そして事務所オーディション当日、はじめて都会の"ナウい"「青山」へ。外苑前の駅でドキドキしながら
「あぁ、都会ってか、オトナのなんかトレンディっぽいところだな」
そう勝手に思っていた18歳。オーディションはなんだか派手な背の高いおねえさんたちに紛れて、「ウォーキングやってみてくれる?」と言われ、綱渡りを披露。あとの派手なおねえさんたちは、ちゃんとウォーキングされてました。質疑応答では
「何か将来なりたいものはある? ほら、例えば女優とか、タレントになりたいとかは?」。
そう聞かれ考えました。え? 言えばなれるんだぁ! ちょっと嬉しくなって「歌手になりたいです」と答えました。

オーディションが終わり、外苑前の駅までの道のりで、
「よく考えたら、まだ事務所にも受かってないのに歌手になれるわけないよなぁ~、みんな背も高いし、おねえさんたちはちゃんとおしゃべりもできて、私はだいぶ毛色が違うなぁ」
そんな風に思いながら、外苑前というお洒落(?)な街で中華料理屋に入り、ホイコーロー定食だったか、ラーメンだったか、お洒落とは程遠いご飯を食べ、田舎の小さな世界へ帰宅したのでした。

その後、やはり推薦者がよっぽど良かったのか、事務所の所属オーディションに合格。300人所属している中では3番目ぐらいに背が低く、日焼けをして真っ黒な顔にメッシュの金髪の入った女の子(ニキビあり)だった私がモデルの仕事をするっていったってねぇ、アナタ!……と、今の私ならそのときの私に突っ込みを入れたくなるわけですがw 当の本人は真剣ですから。そんなこんなでモデルとしてスタートです。

もちろん、いきなりお仕事なんかあるわけないでしょ~って。事務所の所属オーディションに受かったからって、お仕事があるなんて考えたら甘い! そこからが本当のオーディションの始まり。あの頃、バブルがはじけて、今でいうギャルのような私に合うお仕事は皆無に等しい。大体モデルが日焼けしてるのはありえない時代(今もギャルじゃなければダメと思いますが)。オーディションは書類選考で残れても、実際のオーディションでは毎回落ちる。しかもオーディションに来てるモデルはみんなかわいい! テレビ、雑誌で見かける子たちもいっぱい!

田舎の小さな世界では「いけてる?」と思っていた私は、ことごとく「なんだあれ?」状態だったんだろうなぁ。で、ちなみにそんな私がオーディションに初めて受かったのは、オーディションを受けてから何回目だったと思いますか?

じつは初めて受かるまで……

100回は受けたと思いますw

なんでその前に辞めなかったって? よくもまあ、あきらめずにオーディション受けたって?

私もそう思いますw

なぜあきらめずに続けられたのか、落ちてショックじゃなかったのか、なぜ100回目でオーディションに受かったのかなどなど、次週ゆっくりお話したいと思います。では、またね。

突然ですが、うちの犬、パウアちゃんのベイビィです

動画
あまりにも可愛いので動画を撮ってみました