2010年の末から自身の音楽アルバムを制作していたわけですが、いよいよ2月にはアルバムが完成しそう♪ ただいまプレス中ってところであります。こんな時代がやってきたなんて、デビュー時代には夢のような話でした。

だって、まず世の中に自分の歌を発表する、CDを作るってことは本人ではまったくと言っていいほどできませんでしたから。そりゃそうです、かつてはアルバムを作るのに1,000~2,000万円、その他の宣伝費だって何百いや何千万円とかかっていたわけです。

だからこそ「デビューをする」ということは、ひとつのステータスでもあり、デビューできるってことはそれ自体で凄いことでした。まあ、現実はそこから売れなければすぐ消え去ってしまうシビアな世界でもありましたが。

私がデビューした1996年ごろはバブル崩壊後で不況だ! なんて言っていましたが、振り返れば、それでもバブルの恩恵を受けていた時期でもあったなと感じています。今はこうして自宅で音源を作り、ネット配信までできるので誰でもそんなに難しくなく音楽を発表できる。そしてUSTREAMやニコニコ動画、YouTubeなどでは動画まで見れてしまう。さらに生放送までできてしまうんですもん。エラい時代ですよ(笑)。

その場でデジカメなどがあれば、歌っている姿を撮って簡単なPVにもなるわけです。私が当時ワーナー、イーストウエストから発表した松澤由美名義のデビューシングル「音波」(1996年の「YOU GET TO BURNING」もデビューシングルになりますが、カップリングは他のアーティストも歌われていますので)のプロモーションビデオはなんとニューヨークで撮影。

もちろん次のシングルのジャケット、プロモーションビデオも予算削減のため撮影されていましたが、日本からレコード会社のディレクター、PVのプロデューサー、私のビジュアルプロデューサーまでいて、その他メークさんやマネージャー、他スタッフ、現地スタッフと、それはそれは何十人という大所帯で行われていました。本当、今の日本の経済状況から見たら「あり得ない~!」という豪華ぶりでした。

そんな時代を生き抜いて(?)今現在に至るわけですが、ニコニコ動画を遅ればせながら知り、このコラムでも書いていたわけですが、久々にTwitter上で私の楽曲「愛はここにあるの」の作曲者でもあるToshさんからコメント&フォローありでお話をし、そのとき、ある本を紹介してもらいました。それが「未来型サバイバル音楽論」です。

まさにこの時代の音楽の動向がわかりやすく書かれています。まだ私も読んでいる最中でありますが、未来型レーベル「ひとり1レーベルつくりましょう」なんていうようなことが書かれていて、「なるほどな!」なんてうなずきながら読んでいます。そうそう、この本の中では時代を作ったいろんな方の名前が出てくる(もちろんエラい方々)のですが、なんとデビュー前の私をかわいがってくださった方々の名前が。

ユイ音楽工房の後藤由多加氏にはお家まで呼んでいただき、そこであの世界の坂本龍一さんにもお会いすることができたんだった! とか、当時キティレコードの多賀英典氏にもオーディションでお世話になり、確か多賀さんハウスにもお伺いし、ご飯を食べさせてもらったなと(笑)。敬語もろくに話せなかった私が、直接そのような凄すぎる方々に直接電話をし、お世話になっていたかと思うと、失礼がなかったわけがないはず!

当時はメールもありませんでしたから、呑気に「あのぉ~YUMIですけどぉ~」ってニューヨークの坂本龍一さんに電話していたのとなんら変わりなく、おふたりにも連絡していたに違いありません。無知だったからこそできたのでしょう。

それよりもエラい方々の懐の深さというか、器が大きくて、新人やたまごちゃんたちにも目を向けてくださっていたのかな、なんて想像しながら本を読んでいる最中です。私も今後の音楽の在り方、発表の仕方などを想像しつつ、また次週もお話したいと思います。
See you soon love xx.

<「OTOHA NIGHT vol.07"Re:"」開催概要>
開催日時 2011年2月12日(土)
open / 12時30分、start / 13時
場所 渋谷SONGLINES
料金 3,500円(別途ドリンク代)
一般予約 渋谷SONGLINESメールにて受付中
・公演日(2/12 OTOHA NIGHT vol.07"Re:")
・名前
・連絡先(電話番号)
・予約枚数
以上4項目を記入してメールしてください

今回もブラジルライブがいよいよスタートします。画像は前回のブラジルライブイベントの模様