みなさん、パイナップルをご存知ですか? そう、セサ◯ストリートに登場する黄色い一本眉のあのキャラクターにそっくりなフルーツのことです。
前回紹介した「ぎょうてん屋」の記事の感想で、町田に来たなら「パイナップルがのったラーメンあるので行ってみてください」という声をいくつかいただいた。ありがとうございます。
そこで、フットワークが綿毛のように軽い私は町田へと舞い戻ったのです。
遠目からでもすぐに「ここか……!」とわかるような外観。肌寒い天候とは裏腹にこの店前だけ南国トロピカル。強烈だ。
そしてカットパイン中央の穴に顔を埋められる夢を叶えてくれるパネルがあったので、無の感情で記念撮影をしてきた。完全なる調和に心弾む。
扉を潜るとそこは南国だった。ウクレレのようなBGM、隠れミッキーのようにあらゆるところに散らばるパイナップル。
これまで足を運んだラーメン屋の中で、群を抜いて私生活とは無縁なインスタ映えしそうな空間。
発券機は、どのメニューにも「パイナップル」と記載されていてカタカナの情報量に翻弄される。
とりあえずパイナップル海老塩ラーメンとパイナップル味付け玉子、パイナップルビールを購入。
席に着くとすぐにビールが目の前に現れた。台湾缶ビールのパイナップル版なのだろうか。パイナップル柄のグラスも可愛い。
開けた瞬間からパイナップルの甘い蜜のような香りが広がる。一口飲むと「え?? ジュースですか?? 」というくらい飲みやすい。うまっ。後からビールの麦の香りと苦味がほんのりと漂う。
店内の南国感とビールのほろ酔いで、時の流れが揺らぎ始めた時にラーメンができあがったようだ。
「EBIやん」。。
全体的に黄色で、「これぞまさにパインやで」と視覚に強く訴えかけてきているにも関わらず香りが完全に海老なのだ。パイナップルどこへ行ったというツッコミと同時に海老の芳ばしい香りが食欲を掻き立てる。
麺は割と細めで、箸で掴んだときに柔らかさを感じる。スープと絡めて一気にすする。もちもちの食感、そして口の中で海老が激しくEDMを踊っている。
そのままスープも飲み込むと、あっさりとした塩味が海老を優しく包み込んでフラダンスくらいの踊りに落ち着いた。
そしてスープを漂流するパイナップルを掴み取り頬張る。紛れもなくパイナップルだ。甘みと酸味が海老とマッチしてバランスが取れる。ほうれん草と小さめのチャーシューのトッピングもいい。
ずっと気になっていたパイナップル味付け玉子もいただきます。あっ、半熟トロトロなやつだ。外側はパイナップルの甘みと香りに包まれている。あまいスイーツを食べている感覚に陥った。
ペロリと完食、時の流れをゆったりと感じる空間に居座り続けていたい。店を出た直後、現実世界は突風の嵐。もう既にパパパパインが恋しいぞ、この野郎っ。
パイナップルラーメン、一度では終わることができないだろう。きっと、しばらくしたら恋しくなる日が来る、そんな味だった。