おっはモーニング、酒村です。皆さんは、幻の手羽先と呼ばれている「世界の山ちゃん」を知っているだろうか。名古屋名物としても親しまれている手羽先専門店だ。私は、社会人時代に初めて取引先と食事ということで先輩に連れていかれたお店が世界の山ちゃんだった。
実は、その時極度の面倒くさがりやな私は手羽先を食べたことがなかった。なぜなら、手が汚れるからだ。食べるのが難しそうな手羽先を、食わず嫌いしていたのでここで初めて食べることになる。初めての手羽先の山に息を飲んだ。これどうやって食べるのが正解なのかと。もぎって食べるのか、かぶりつくのか。どちらにせよ、綺麗に食べる自信はない。見よう見まねで手羽先の分解作業に入った直後、その引っ張った部分がお客さんの顔面めがけて飛んで行ったという恐ろしい経験があってからは、遠ざかった手羽先。
しかし、カップ麺という形で再会を果たすなんて思ってもいなかった。パッケージは、作るまでのお楽しみだよと言わんばかりにラーメンの仕上がり具合がシークレットになっている。
上から見ると、あの苦戦したものの味の旨さはピカイチでほっぺたが落ちそうになった手羽先の山がプリントされている。家で、ビールをグイッと飲みながらまた食べたいななんて思いながら蓋を開ける。
中には、手羽先なのか謎肉なのかわからないがコロコロと具材がたくさん入っている。お湯を入れて3分で完成。
出来上がりは、ガパオライスのように食欲をそそるぞ。赤に緑に鶏肉らしき肉、もう色合いが完全にガパオなんだよなぁ。
手羽先の味を求めていただきます。ずるぽずるぽ。食べた瞬間に広がるスパイシーさは手羽先にかかっていたあのスパイスを想起させる。スパイシーだからと言ってそこまで辛さはないので辛いの苦手な人でも食べられるはず。エスニック系にも感じ取れるし、ジャンク系にも捉えられる風味。
しっかりスープの中で鶏が飛び回っているように思える。しかし、このカップ麺は幻の手羽先風味を再現したものであって手羽先を使用しているわけではないそう。なのに、あの手羽先をどこかで感じてしまう風味に仕上げているのはすごいことだ。
唐揚げをここにディップしたら山ちゃん風唐揚げになるのでは?なんて思ったがカップ麺に唐揚げは夜中に太りそうな予感しかしないので諦めた。
鶏肉そぼろのようなお肉もアクセントとなって美味しい。ネギなどのかやくがあることでジャンクにもなりすぎず、ちょうどいい塩梅。
食べ進めていくうちにビールが飲みたくなってきたが、時計をちらっと見て自制心を働かせ食い止めることに成功した。世界の山ちゃん、ほろ苦い思い出で終了していたけどその思い出を塗り替えにもう一度行こうかなと思った夜であった。