休日・平日関わらず、いつも列をなしている一見ラーメン屋とは分からないほどお洒落な「AFURI」。
最初で未だ最後に食べたAFURIは、クリスマスの当日。クリスマスにも関わらず、知り合いに頼まれ、ひとり虚しくアイロンビーズと一日中睨めっこをしていた。震える指先で、辛うじて開いたウーバーイーツで注文したのがAFURIのつけ麺だった。
まさかこんな外観からセンス溢れるラーメン屋だったとは。柚子やこんにゃく麺、ヴィーガンらーめんなど貴族のような気品溢れるメニュー。今日だけはマリーアントワネット気分に浸れるのだろうか。
躊躇うことなくAFURIハイボールとクリスマスに食べたものと同じ柚子露つけ麺をオーダーした。
席に着くとすぐにAFURIハイボールが現れた。このオリジナルハイボール、驚くことに柚子の香りがするではないか。緊張して向き合うこと数秒、飲むっ。
これは…… 素朴でありながらも和を感じさせる、どうやら源氏物語の世界に迷い込んだようだ。いとをかし。
平安時代に意識だけワープしていると、目の前につけ麺がそっと置かれた。器に山らしきものが描かれている。スープにはたっぷりの白胡麻と香る柚子。麺は温かいものを選んでみた。真空手揉み麺、強そうな名前だ。濡れツヤ感を放つ麺をスープにつけて、絡まったタレを逃すことなくすする。
ピリッ、ふわっ。
スープはちょっとだけピリ辛で、柚子の上品な香りと合うんだよなぁ。いとをかし(二回目)。刻みネギのアクセントにより、シャキシャキ感も楽しめる。この柚子の芳醇な香りはAFURI特有だ。
角切りになったチャーシューは、味が濃い目で柔らかく、おつまみに欲しくなる。ハイボールとチャーシューを交互に飲んで食べたとき、一瞬超絶お洒落な居酒屋にいる錯覚に陥りかけた。
水菜のみずみずしさ、味玉の黄身の外側は固まっていて中央がトロリ半熟なところも絶妙だ。
周囲の人たちがおかかご飯や炙りチャーシュー丼を食べていて、何故私も米を頼まなかったのかと悔やまれる。全体的に女性にも優しい量・雰囲気なので気軽に立ち寄れることをお知らせしておきたい。
最後はつけ汁をだしで割ってスープにして飲む。温かいスープは、ぽっと頭に花を咲かす。ほっこりと気分が和む。ゆっくりとスープを飲みながら、今年のクリスマスはせめて一緒に過ごす仲間がほしいなと切に願った。