おっはモーニング。酒村です。ここ最近、天気が悪い日も増えてきた。もうすぐ6月で梅雨入りするからだろうか。コンビニまで行く気力もないので家にある食料ボックスを漁っていると奥底から黄色い筒が姿を現した。
ゆっくりと引き上げるとそこには「AFURI 柚子塩ラーメン」の姿があった。いつ買ったのか記憶が全くないがこれは神からの贈り物だと感謝し、速攻でお湯を沸かす。AFURIでは、つけ麺しか食べたことがないためラーメンは初めてだ。
あの柚子の香りが特徴的なAFURIがカップ麺でどこまで再現できるのか期待と不安が胸をよぎる。
蓋を開けて確信した。麺が普通のカップ麺とは違う。あのAFURI特有の素材が練りこまれている麺であることがわかる。不安は消え去り、期待だけが残る。
柚子の香りがグラス一杯に広がるAFURIハイボール。白胡麻がたっぷりと入っていて、角切りの味が濃いチャーシューが入った器に冷たい麺をつけて食べるつけ麺。
二郎系や家系はお腹をたっぷりと満たしハイにさせてくれるが、AFURIはセラピストのように気持ちを穏やかにしてくれる。なので自分の中では、少し特殊枠として認定している。
4分待って、完成したら黄金香油(こがねあおりあぶら)をスープに落とす。パッケージが気品溢れる金色で、名前も平安貴族ですかというほどかっこいい。何よりも柚子の香りがブワァっと広がり気持ちをリラックスさせてくれる。
ツヤ感を放つ黄金色のスープに麺を絡めて優しくすする。
「これは……カップ麺なのか? 」。目を閉じるとそこはAFURIの店内だ。カップ麺とは思えないクオリティ。「お店のだよ! 」と出されても正直わからない。再現度が高すぎる。細かい柚子がたまにチラッと顔を覗かせていて愛おしい。
気持ちのいい風と太陽の光を浴びながら夏の海を誰もいない畳の部屋から眺めている感覚に陥らせてくれるスープ。
風鈴のチリンと鳴る音は、柚子のポジションに例えられるし。風や波の音は、油によるマイルドさに例えられる。
存在感抜群の蝉の声は、まさにお肉や刻みネギと言えよう。AFURIを食べるとなぜかいつも夏を思い出す。爽やかな夏の話だ。
全体としてとてもあっさりしているが、あっさりとだけでは表現できない。柚子の香りとともに"深み"が存在しているのだ。
罪悪感なくスープを全て飲みきったのはいつぶりだろうか。柚子塩ラーメン、期間限定でなくなってしまうのは切なすぎる。