【前回までのあらすじ】
初めての1人暮らしで、内装を全部自分で作ることにした私。無事(?)丸裸の部屋を借りることができましたが、これから内装を1つひとつ決めていく長い旅路が始まるのでした。
コンセプトを決める
よし、部屋が決まった!
ということで、何もない丸裸の部屋をどうやって自分好みに変えるか、計画を開始しました。
そこでまず、自分の中で部屋のコンセプトに据えたのは「鎌倉の自然」。私は幼いころ鎌倉に暮らし、実家が横浜市内に移ってからもよく通っていました。ひとり暮らしは自分がしたくて決めたことですが、鎌倉の深い緑や穏やかに輝く海を身近に見られなくなることが、どうしようもなく寂しかったのです。
そのコンセプトに沿って、木のぬくもりや海の開放感を自分なりに表現すべく、部屋の細部を考え始めました。
フローリングは「無垢」がいい!
前回の記事でも書いた通り、膨大な物件検索といくつかの内見を経て私はすっかり「部屋オタク」になっていました。内装に取り入れてみたい要素は山ほどあり、その中でも特にこだわったものの1つが「無垢フローリング」でした。
一般的に使われている床材は「複合フローリング」と言って、合板などの表面に薄い化粧板を貼り合わせたものです。無垢材よりも安いし湿気の影響を受けにくいというメリットがあります。ただ、内見のときにある物件で見た無垢フローリングの何とも言えない温かみと気持ちよさが忘れられず、せっかくなので私も無垢を使ってみることに。
しかし、DIYなんて全く経験のなかった私が次にぶち当たった壁は、「材料どこで買うんだろう問題」でした。(これは、DIYをする人が絶対に経験したことのある共通の悩みであり、同時に面白みだと思っています)
フローリングを調達してみる
買う場所として最初に思いついたのが、やはり「ホームセンター」でした。そこで実家の近くにある渋いホームセンターへ。ただ、木材はたくさん売っていたものの、私のイメージする素敵な無垢のフローリングが見当たらず……さっそく挫折の様相です。
そこで、部屋を探したときと同様ネットに頼ることに。あれこれ検索してみると、無垢フローリングは案外たくさん出てくるのですが結構高いのです。狭いワンルームとはいえ、フローリング代だけで1カ月のお給料の半分以上が吹っ飛びそうな勢いでした。
たどり着いた「toolbox」
しかし諦めず粘り、色々調べて行き着いたのが「toolbox」という内装建材のECセレクトショップ。このtoolboxで「継ぎ無垢フローリング」という商品に出会いました。「継ぎ無垢フローリング」は、短い無垢材を繋いであるのでその分お安く、けれどむしろ継いであることで色々な木目の表情が楽しめてなんだか面白いという優れもの!
ポチッと買う前に、念のためどうしても実物が見たくなってしまったこだわり症の私は、当時ショールームをお持ちではなかったtoolboxさんにかなりご無理を言って、原宿のオフィスでサンプルを見せていただくことに。 (※現在は原宿に素敵なショールームがあるようです。皆様はそちらへ!)
親切なお兄さんに見せていただいたサンプルは、ネットで見たイメージ通り無垢ならではの温かみがあり、夏に素足で歩くのが気持ちよさそうなすべすべの質感で、まさに理想のフローリング! 「バーチ」という一番明るい色の木材を選び、即購入しました。
私「いいフローリングが見つかって、よかったです~(満面の笑み)」
お兄さん「ところで、どうやって張るのか知ってるの……?」
私「これから調べます! 多分大丈夫です! (キリッ)」
お兄さん「そ、それは、心配だなぁ……」
お兄さんは、明らかにDIY知識0の脳みそに根拠のない自信だけを搭載している私を見て、不安にかられたご様子で、ある提案をしてくれました。
「『DIYサポート』を利用してみたらどうですか?」
教えてもらいながら作るという選択肢
お兄さんが提案してくれた「DIYサポート」とは、1日あたり決まった額の料金をお支払いすれば、プロの方からワークショップ形式でDIYをサポートしてもらえるというtoolboxのサービスのひとつです。
たしかに、フローリングを張る方法はおろか、必要な道具も全くわからなかった私にはうってつけのサービスでした。プロの方に丸投げで作ってもらうのではないから値段がすごく高いというわけではないし、教えてもらいながら作業できるので今後自分で色々作るための勉強にもなる!
実は人気のサービスでなかなか空きが出ないそうなのですが、その時はたまたま調整がついて、プロの方にフローリング張りだけ手伝ってもらえることに。その方に教えてもらった床張りに必要な道具をホームセンターやAmazonで購入して、着々と準備を進めていきました(買いそろえた道具については、改めてご紹介しますね!)。
想定外の買い物
入居日等諸々の事情から、フローリングは東京の引越し先ではなく一旦横浜の実家に送ってもらうことにしました。届く日の朝、「今日引っ越し先で使う荷物が来るから、受け取りよろしくね~」と一応母親に言ってから家を出たものの、仕事の昼休みに携帯を開くと、母から怒涛の着信、そして留守電。
「大量の長くて重い何かが届きました。とりあえず、折り返しください」
私の軽い予告からは全く想定外の荷物だったようで、母は困惑。まさか嫁入り前の娘がフローリングを買う日が来るとは……(しかもネットで)、という気持ちだったのでしょう。
引っ越しの日に友人に協力してもらってハイエースでフローリングを運び出すまでの約1週間は、実家の玄関先が大量のフローリングで占拠されるという、かなりシュールな状況でした。
こうして人生初の「マイ・フローリング」をゲット! 並行して壁をDIYするための材料もあれこれ用意をすすめていました。
(続く)
著者プロフィール: 木村かさね(キムラカサネ)
都内企業に勤める会社員です。初めてのひとり暮らしをきっかけに、自宅内装を全面的にDIYしたことが話題となり、これまでTVや雑誌等多くのメディアで紹介頂きました。