新潟を拠点に活動するNGT48のメンバー・山口真帆への暴行事件に関する第三者委員会の調査結果を受け、同グループを運営するAKSが22日、新潟市内で会見を開いた。出席者は、AKS運営責任者兼取締役・松村匠氏、劇場支配人・早川麻衣子氏、副支配人・岡田剛氏の3名。本企画(「NGT48山口真帆 暴行被害事件」調査報告書会見 3時間の全記録)では、時系列に沿って発言をまとめていく。第6回は、開始110分頃から130分頃まで。
■記者との一問一答の続き
――減給処分松村氏、大村拓也氏の2人?
松村:はい、そうでございます。
――減給30%で。
松村:約30%です。無期限ということでございます。
――劇場はいつから休館しているのか。
早川:3月中旬からだと思います。
――もうすでに休館になっている状態なのか。
早川:すでに休館というか、決めたのが報告書が出て来た時に、3月で一旦休館しようと。それまで3月のスケジュールが出ていなかったので。この報告書を見て、メンバーとしっかり話をしたいと思ったので、スケジュールは入れずに休館にしようという話になりました。
――劇場外での活動は?
早川:今レギュラーでお仕事を頂いている以外のものに関しては、未定になっております。
――風紀の乱れを正すためにコミュニケーションを強固にするということだが、人員増、部署を新設するなど具体的な計画はあるのか。
松村:スタッフの数を増やしていくことは検討しております。ただ、人数を増やせばそれでいいのかということもありますので、まずは現有のスタッフの意識を一人ずつ向上させていく。私も含めて。まずは急務かなと考えております。
――意識向上のために、社内セミナーなど?
松村:はい。
――今後社外に向けて対応することはあるのか。
松村:随時ブログ等で今後の活動に関しては発表して参りたいと思います。
――山口は劇場での謝罪を強要されたと言い、松村氏はそれを否定した。山口本人の意思で謝罪をしたという認識で間違いないか。
松村:彼女自身はツイッターとSHOWROOMで発言してしまったことをすごく気にしておりました。そのことに関しては……というふうに僕は理解しております。
――山口から何かを言うわけでもなく自ら壇上に立った。
松村:そこまで簡略化されるとあれなんですけども、「どうしよう」というところから話がはじまって、「そうします」となって、すごく嫌がっている彼女を無理くりにそのようにしたというわけではないと理解していただければと思います。
――松村氏自身は、謝罪の前にどのような言葉を掛けたのか。
松村:あの日、周年公演だったのでそれに参加するのか否かということを聞きました。本人は「出る」ということだったので、出てどうするという話の中で今申し上げた、何か一言というようなことでありました。私の方から、「ぜひそうしてくれ」というような強要はございません。
――公演に参加することになって、山口本人から「謝ります」と申し出たのか。
松村:「謝ります」というか、「一言発したい」というニュアンスだったと思います。
――山口の方から?
松村:はい。
――それに対して松村氏はどのように返答したのか。
松村:それはもう、彼女が「そのように」ということであれば、「どうしてもやめて」ということも私の方からできませんし、ただ、それに関して言いますと、やはり彼女は当然被害者であって、配慮が欠けていたと思います。少なくとも、(支配人の)今村ではないにしても、開演の前に出てちゃんとした話をした上で、彼女が出番の時、1曲だけ出演したんですけど、そこで話をするのであれば違ったのかなと痛感しております。
――話し合いの不足だけでここまでの溝が生まれたことについてどう思うのか。
松村:1月10日のご指摘1つとっても、当然話を全くしなかったレベルではございません。ただ、そこでやはりわれわれ運営の方が今後のことを考えてしっかりしたアドバイスをやれてなかったこと、彼女が一人ですべてをかぶるようなことになってしまったことの配慮が決定的に欠けていたと僕自身は痛感しております。
――溝を埋めるために、話し合い以外に考えていることはあるのか。
松村:話し合いはもちろんですけども、やはり思慮と配慮をしっかりした上での話し合いは必要ですし、そこで「こうすべきではないのか」ということをもう少しちゃんと彼女としっかり話して、彼女だけじゃないですけども、互いにちゃんと理解した上で、事を進めていかなければいけないのかなというふうに思っております。
――山口は話し合いに応じている状況なのか。
松村:私に対してこういうツイートをしている……すみません、先ほど見させていただいた限りしか見ていないんですけども私だけではなく、ほかのいろいろなスタッフが対応しているということでございます。
――公式サイトでは「ケアをしている」という発表もありましたが、具体的には話し合いも含めてどのようなケアをしていたのか。
松村:本当にいろいろなことを話していくということだと思います。思いますというか、話をお互いにいろいろするということの繰り返しだと思います。
――実際に会っているのか。
松村:はい。しております。
――話し合い以外に今後具体的に考えていることは。
松村:協力してやっていくしかないのかなと思っております。
――今後話し合いをしていって、どの段階になれば話し合いが十分に行われたと判断するのか。
松村:十分というのは先ほどのセキュリティーの話ではないのですが、「十分でこれで終わり」ということはないと思うので、続けていかなければならないのかなと。彼女自身が今NGTの活動をやっておりませんので、それに復帰をするということを本人がその気持ちになって。というのがまずはスタートかなと思っております。
――ファンに向けて説明の場を設ける予定は?
松村:私共NGTの公式ブログをみなさん、非常に見ていただいているので、そちらでいろいろと発信をさせていただこうと思っております。
――活動再開を望むファンに向けてのメッセージを。
松村:本当にそうやって応援していただいているみなさまに失望させような事態を招いてしまい、山口はもちろん、NGTのメンバーを深く傷つけ、そしてご父兄の方にご迷惑をお掛けしたこと、NGTの活動はファンの皆様があって初めて成り立っていることなので、本当にファンの皆様を一番失望させてしまったことに対して心よりお詫びを申し上げる次第です。われわれ運営側としては、時間がかかるかもしれませんけども、元のNGTに戻れるように日々努力して参りますので、これからもご支援のほどをお願いしたい次第です。
早川:NGTのオフィシャルの方にもたくさんのご意見をいただいております。「いつも応援しているので早く元に戻ってほしい」とか、いろいろなご意見をいただいているのですが、今まで見た中で一番ショックだったのが、「NGTのファンというのが恥ずかしい」と意見をいただいた時に、これは早く「NGTファンです」と堂々と応援していただけるようなグループに早く戻していきたいと思っております。まずは体制をしっかり整え、メンバーの教育、タレントとしての育成部分も欠けていたと思いますので、その辺についてもしっかりと対応していき、またみなさんに「応援している」と堂々と言ってもらえるグループにしていきたいと思います。
――保護者への説明会に山口の家族は出席していたのか。
松村:出席されておりました。山口のお母様だけでなく、ご父兄の方が多数参加されておりましたが、われわれに対する厳しい声、ご意見、報告書においても、みなさんから先ほどからご指摘を受けているように、「元のNGTにちゃんと戻っていけるんだろうか」と。お嬢様方をわれわれに預けていただいているので、そういう不安、声というのも頂戴しました。
――報告書23ページにあった、新潟の特殊性に関して。冒頭で謝罪されましたが、この点については「原因としない」ということでいいのか。
松村:これはご指摘を受けております調査報告で、当然、メンバーが住んでいる居住地、その特定がしやすくなっていた背景を鑑みて、われわれがピックアップの場所だったり、そのあたりをしっかりと確認を。分かってしまったら場所を変更するとか、そういうことを常日頃からしっかりとやらないといけない。お恥ずかしい話ですが、バスでの送迎をしております。降車ポイントと乗車ポイント、特に降車ですね。夜帰ることが当然多くなりますので、その際にマネージャーがバスに帯同していなかったと。降りたところでマネージャーが、あるいは然るべき人間がいれば、犯人というかそういう人たちに対する抑止力になったと思いますし、そのあたりは反省では済まないレベルなんですが、改善をしております。
――冒頭では謝罪したが、この点については原因に直結するものじゃないと考えているのか。
松村:新潟、東京、大阪など私共のところではいろいろやっておりますけども、これは新潟に限らず、どこでもメンバーのピックアップ、あるいは降車ということに関しては、常々問題になることではあります。それをやはり今後はより密に変更していきたいと今申し上げたことになるのですが、それを「新潟だから」ということではなく、新潟ももちろんほかもしっかりとやっていかなければいけないと認識しているところでございます。
――NGT48以外でこのような事件は起こっていない。地理的特性も原因なのでは。スタッフの練度が低いということになると、それもまた問題。その点、どのように考えているのか。
松村:スタッフ、私共身内なので部下、同僚でもありますので、あまりよろしくないと思いながらも、意識の問題かなと思っております。さきほどの握手会の「まとめだし」でも、横についていてもその内容を聞こうとする姿勢、あるいはいるだけ全然違いますし、やはり常日頃からそういう意識を持ってやらなければいけないというのがNGTのスタッフもあらためて当然ながら感じていることだと思います。意識のより向上と言いますか、高いレベルで考えていくことをみんなが考えなければいけないということだと思います。
――ファンは何を信じればいいのか、混乱している。ファンと真摯に向き合う機会も必要なのでは。
松村:握手会、劇場公演、あるいはそれ以外のライブ等でファンの皆様に発信をしてかなければいけないことかなと思います。
早川:劇場にいる時や、この前の握手会にいる時、ファンの皆様と直接話をするとホットな意見をいろいろいただくことができるので、ぜひそのような機会は設けていきたいと思います。
■NGT48山口真帆 暴行被害事件の経緯
▽2018年12月8日
山口真帆が帰宅時に自宅の部屋の前で男2人から暴行被害を受ける
▽2018年12月9日
新潟県警が男2人を暴行容疑で逮捕
▽2018年12月28日
逮捕された男2人が不起訴処分
▽2019年1月8日
山口真帆が動画配信サービスやSNSを通じて事件を告発
▽2019年1月10日
山口真帆がNGT48劇場公演で謝罪
▽2019年1月11日
NGT劇場支配人の今村悦朗氏が異動、早川麻依子氏が新支配人に就任
▽2019年1月14日
「AKB48グループ成人式」後に運営責任者らが会見を開いて謝罪
▽2019年2月1日
事件を調査する第三者委員会を設置
▽2019年3月7日
前NGT劇場支配人・今村悦朗氏が不適切行動で契約解除
▽2019年3月21日
第三者委員会の報告書を公式サイトで公開「メンバー関与せず不問」