「ムンクの『叫び』は何を叫んでいるの?」「ミレーの『落穂拾い』はなんで落ちた穂を拾っているの?」など名画の気になる疑問を山田五郎氏が愉快に解説!
YouTubeチャンネル「山田五郎 オトナの教養講座」を書籍化した『「山田五郎 オトナの教養講座」 世界一やばい西洋絵画の見方入門』(宝島社刊)より、知れば楽しくなる名画について紹介します。
全3回の連載、第2回はフィンセント・ファン・ゴッホの名画《ひまわり》より、「『ひまわり』をたくさん描いた悲しい理由…」です。
「ひまわり」をたくさん描いた悲しい理由…
「日本の光」に恋い焦がれ
ゴッホの《ひまわり》は6枚の現存が確認されていますが、本当はもっとたくさん描くはずでした。
浮世絵の鮮やかな色彩に感動した彼は、光の明るい南仏アルルを「ここは日本だ!」と決めつけ、仲間を集めるため「黄色い家」を借家。「日本の画家は共同生活をしている」と、なぜか思い込んでいたからです。彼の動機は常に決めつけと思い込み。そして生活費はすべて弟テオの負担でした。
《ひまわり》は理想に向かう芸術家の象徴として、集まった人数分だけ描いて食堂に飾るつもりだったのです。
なぜ誰も来てくれないの?
ところが、ゴッホの面倒な性格を知っている仲間たちは、彼の呼びかけに応じません。画商である弟テオが旅費の提供と作品の買い取りを条件に説得し、ようやくOKしてくれたのは、お金に困っていたゴーガンだけ。
そのゴーガンとの共同生活も、わずか2か月でゴッホが「耳切り事件」をやらかして破綻しました。
ひとりぼっちでセルフコピー
耳の治療を終えたゴッホは、ゴーガンが去った「黄色い家」に戻ります。
季節は真冬で、もうひまわりは咲いていません。希望に満ちていた夏の日を取り戻そうとするかのように、ゴッホはかつて自らが描いた《ひまわり》を写し続けます。そして初夏の訪れとともに、自ら精神科病院に入るのでした。
もっと詳しく動画で解説! 「山田五郎 オトナの教養講座」
『「山田五郎 オトナの教養講座」 世界一やばい西洋絵画の見方入門』(宝島社刊)
「ムンクの『叫び』は何を叫んでいるの?」「ミレーの『落穂拾い』はなんで落ちた穂を拾っているの?」など名画の気になる疑問を山田五郎氏が愉快に解説。
面白くて教養もつくと大人気(登録者数45.7万人超 2022年10月現在)のYouTubeチャンネル「山田五郎 オトナの教養講座」待望の書籍化です。
人物相関図&年表付で、各画家を時系列でまとめてあるので西洋絵画史の流れがわかりやすく、動画とも連動。西洋絵画初心者からファンまで幅広く楽しめる一冊です。
著者:山田五郎
発売日:2022年8月31日
価格:1,760円(税込)
判型:A5判 / ページ数:192P / ISBN:978-4-299-03254-6
宝島社『「山田五郎 オトナの教養講座」 世界一やばい西洋絵画の見方入門』
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