前回、前々回に渡り、「X-Slim X340 Super」の製品となりをチェックしてきた。最終回となる今回は、本製品へのWindows 7インストールを試してみたい。なお、テスト時期の関係で、ここではWindows 7のRC版を用いてテストしている。
Windows 7のインストールはスムース
前回も触れたとおり、本製品はIntel Core 2 Solo+Intel GS45 Expressというハードウェアをベースとしており、ネットブックの枠組みには入らない。OSもWindows Vista Home Premiumが採用されており、Windows Aeroが問題なく動作するグラフィック機能も備えている。Windows 7の要件も十分に満たすPCなのである。
ただし、本製品はHDDのみを搭載する1スピンドルノートであるため、インストール時には光学ドライブなどを別途用意する必要がある。また、本製品のHDDリカバリはWindowsの回復機能を活用したものとなるため、リカバリメディアを作成しておかないと、元のWindows Vistaへ復旧することができなくなる。Windows 7のために光学ドライブを用意するさいに書き込み可能なドライブを入手し、リカバリメディアを作成したうえで、Windows 7をインストールするのがベターだ。
ただ、こうした問題さえクリアすれば、インストールは順調に進む。前回も触れたとおり、本製品のHDDはシステム領域とデータ領域がパーティション分けされている。もう少し具体的には、HDDリカバリ用のWindows RE(Recovery Environment)領域、システム領域、データ領域に分かれているが、可視領域は後者二つになる。必要なデータをDドライブに移しておけば、こちらを保持したままWindows 7をインストールすることができる。Windows 7インストールにおいては本製品のこうした仕様は大きなメリットといえるだろう。
さて、今回はWindows Vistaからのアップグレードではなく、新規インストールを選択している。そのインストール後の状態であるが、基本的なデバイスは一通りインストールされており、Windows 7のインボックスドライバだけで問題なく動作する状況にあることが分かる。
前回の記事で紹介したFnキーを利用した省電力機能は利用できないが、これは同社からのリリースされると嬉しく思う。一方でDドライブにセットアップファイルが用意されているCrazyTalk CamSuiteは、Windows 7でも問題なく動作していた。
動作速度についても、Windows Vistaから目立って遅いという印象も受けず、かなり快適に利用することができた。ただ、Windows 7のエクスペリエンスインデックスを参照すると、インストール直後の状態ではグラフィック機能がボトルネックになっていることが分かる。
このグラフィックドライバだが、Windows 7 RC版のインボックスドライバでは、2009年2月2日付けのVersion.8.15.10.1662がインストールされていた。これを、インテルのWebサイトで提供されている原稿執筆時点の最新版ドライバ(2009/6/3付け、Version.8.15.10.1808)へ入れ換えたところ、エクスペリエンスインデックスのグラフィックスコアが上昇することが確認できた。
このように、ドライバのチューニングが進んで、まだまだパフォーマンス向上の余地があることが分かる。Windows 7のインストールは極めてスムーズで、Windows 7登場後にもインストールして使える安心感はある。もちろん、省電力ツールを初めとする各種ドライバ、ツール類がMSIから提供されることにも期待したい。