「所変わればトイレも変わる」。人間的生活をおくる上で不可欠なトイレには、その国独自の特徴があるのではないでしょうか。この連載では、「世界のトイレ」をゆるーく紹介していきます。 今回はお隣「中国」のトイレ事情を、日本在住の王さん(仮名)に聞いてみました!
表記は何となく伝わる!
こちらは公共施設のトイレ。まずは外観から見てみましょう。
王さん「トイレの表記は『衛生間』。『きれいにするための部屋』という意味です。20年ほど前は『厠所』という表記が主流でした」
トイレは中国語で「衛生間」と書くのですね。漢字から何となく意味が想像できそうです。また、昔はよく使われていたという「厠所」という表記は、日本語でトイレを表す「厠(かわや)」と同じ漢字が使われています。
写真右上のトイレマークを見ると男性のマークが黄色、女性のマークは赤となっています。日本では男性は青、女性は赤で表記されることが多いですが、中国では特に決まっていないそう。「(マークの)背景の壁の色によるのでは?」(王さん)とのことです。
個室はどうなっている?
トイレの中はどうなっているのでしょう? オープンな男子トイレも、最近は便器と便器の間に仕切りがあることもあるのだとか。「中国の男性は恥ずかしがりなのかも…(笑)」(王さん)
王さん「トイレの個室の壁は、下の部分にほんの僅かですが隙間があります。これはプライベートを守りつつ、犯罪防止と急病の方を確認するための工夫です。この洗面台は、よく見ると石けんは置いていないようですね」
トイレの壁に隙間を確保している例は、日本のトイレでも見受けられますね。洗面台も日本とほとんど変わらないようです。
家庭のトイレは風呂場とセットが主流
続いて、家庭のトイレを見てみましょう。こちらは中国にお住まいの王さんのご兄弟のご自宅です。
王さん「弟の家は、築10年のマンションです。一般家庭では、トイレをシャワーと洗面台、洗濯機置き場と同じ部屋に設置することが普通です。最近の新築マンションでは、これに湯船がある家が主流のようです」
このスペースで、用を足したり、シャワーを浴びたり、洗濯や洗顔をするわけですね。中国では湯船がない家も多く、特に乾燥した気候の北部ではシャワーだけという物件も珍しくないそうです。
せっかくなので家庭(マンション)のトイレに付属する、トイレ以外の設備についても詳しくお話を伺いました。
王さん「写真の右上の白い機械は『熱水器』と言い、適温のお湯を出す機械です(湯沸かし器)。シャワーとセットで設置されるのが一般的ですね。右下の赤いおけは、蓄水用のもの。水不足な中国ではたまに断水が起こるので、断水時もトイレを流せるように各家庭に水が入ったおけが用意されています」
断水のときは、ためておいた水でトイレを流すというわけですね。
王さん「便座の奥にはモップが用意されていて、シャワーした後すぐに掃除をします。左中央は洗面台。下部は椅子のように4本の脚が付いていて、床との間にスペースがあります。シャワーを浴びる所と洗面台が同じ場所なので、シャワーの水が床に広がっても大丈夫なつくりなのです。洗濯機はトイレのドアの左側、シャワーより一番遠いところに設置しているみたいですね」
中国のトイレ事情、いかがでしたか? 形状は地域や建物の新旧によって異なるそうですが、最近のものは日本と結構似ているところが多いみたいです。中国でトイレに入ったときに「使い方がわからない!」となることはあまりないかもしれませんね。
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