バイデン政権になってから、喫緊の課題としての地球温暖化に世界の注目が集まっている。地球温暖化は一般市民の生活に多くの影響を与えているが、食糧問題もその1つだ。

温暖化や異常気象は、作物の成長に悪影響を与え、野菜や果物、米や小麦、肉や魚など我々が当たり前のように食べているものが簡単に入手できなくなる可能性もある。

  • 食糧問題の解決策は?

昆虫食が食糧問題を解消!?

それを警告するかのように、国連の食糧専門機関である国際連合食糧農業機関(FAO)は2013年、多くの人が耳を疑うような報告書を発表した。ズバリ、 FAOはその中で、深刻化する食糧問題の解決策の1つとして、人間が昆虫を食べることを推奨したのだ。おそらく、これをご覧になっている皆さんの多くはそんなの無理!と感じていることだろう。

当然だが、日常生活で使うスーパーやコンビニなどで、お惣菜としての虫や虫が混ざったお菓子などを見かける人はおらず、おそらく、食品メーカーも昆虫食なんか絶対に売れないことから作ってもいないはずだ。

だが、世界各国を旅行、滞在してきた筆者は、これまでに何回か昆虫食に遭遇したことがある。

昆虫食を試した感想

例えば、香港というと百万ドルの夜景やおいしい中華というイメージだが、地元民が多く集まる露店ではコオロギやバッタみたい昆虫の唐揚げみたいなものが売られていて、筆者も試食したことがある。味はあまり虫!って感じではなく、揚げたエビのようにパリパリした感じだった。

タイを旅行した時は、ゴキブリみたいな虫やサソリ、ムカデなどの揚げ物を露店主が旅行者に売り歩いていた。確かにグロテスク感が極まりないが、これも揚げているせいかパリパリした感じで、決して食べられないものではなかった。  

だが、刺身のように生で試食するとなれば少し話が違う。筆者はそれをケニアとオーストラリアで経験した。ケニアではシロアリの一種とされる羽アリはよく食べられるようだが、羽アリは小さいこともあるが味というよりは海苔みたいな感じだった。しかし、地元民の中には口一杯に入れて食べている人も見られ、その時は唖然とした。

また、オーストラリアでは、先住民であるアボリジニが常食する蛾の幼虫に挑戦してみたことがある。見た目はイモムシみたいな感じでグロテスク感極まりない。口に入れて一かみした瞬間の気持ち悪さマックスの柔らかさにさすがに参り、その時はギブアップした。

他にも何回があるが、全体としての感想は、食べられる虫もあれば調理方法次第ではグロテスク感ある虫も決して無理ではないと筆者は思う。当然ながら人によって感じ方が違うので、これは一意見でしかない。

しかし、世界中の研究者たちによると、虫は多くのたんぱく質を含んでおり、かなりのヘルシーメニューだという。世界の食糧事情も考えれば、虫は大きな代用手段と言えるだろう。

昆虫食が広まる欧州諸国

実は、近年、昆虫食の世界市場が大きく上昇傾向だ。例えば数年前にフィンランドを訪問した際、スーパーでコオロギやバッタ、ミツバチなどを使ったパンやナッツ、お菓子などが普通に売られており、多くの人たちがそれを買っていたのをよく覚えている。こういった動きはフィンランドだけでなく、他の欧州諸国にも広がっている。

昔ほどではないだろうが、日本でも田舎に行けばイナゴなどを食べている。虫を使った食べ物というものを我々は徐々に意識していくことも必要かもしれない。