仕事ができない自分に悩んでいる人、もしくは「仕事が遅い」「ミスが多い」といった理由で上司からよく怒られる人、はたまた職場に仕事ができない部下や同僚がいるという人。『仕事ができない』という事実はわかっていても、『どのように改善したらいいのか』はわからない人も多いはず。

  • スケジュール管理ができない人

ここでは、世界で3,000万部売れたロングセラー『7つの習慣』のメソッドをもとに、研修やコンサルティングを実施する「フランクリン・コヴィー・ジャパン」の取締役副社長・佐藤 亙氏に『仕事ができない人の解決法』を聞いてみた。第五回は、「スケジュール管理ができない」。

なぜ、スケジュール管理ができないのか?

「ダブルブッキングをしてしまった」「やることが多すぎて、毎日残業続き」……。というように、職場にひとりぐらいは『スケジュール管理ができない人』がいるはず。では、なぜスケジュール管理ができないのだろうか? 佐藤氏は原因として、次の2点が挙げられると話す。

・若手社員の場合:タスクの優先順位が間違っている
→「まだ仕事を始めたばかりの若手なら仕方がない部分もあるのですが、スケジュール管理で大切なのは優先順位。そこが甘いために管理がうまくできないというのが原因といえるでしょう」。

・中堅社員の場合:うまく共有ができていない
→「部下や同僚、上司たちとうまく情報の共有ができていないというケースが多いです。これが原因で業務に遅れが生じ、スケジュールに支障をきたしてしまうのです」。

どう改善すればいいのか?

・若手社員の場合:タスクの優先順位が間違っている
A.優先順位を工夫する
→「帰る間際の夕方、今日中にやるべきだった大きな仕事を忘れてしまっていた、という経験はありませんか? これらは優先順位の工夫うが重要です。バケツの中に石を入れていく様子をイメージしてください。最初に小さな石を入れていくと、大きな石は入らなくなってしまいます。正しい順序は、先に大きな石を入れて、その隙間に小さな石を入れていくこと。仕事も同様に、重要な仕事は先にバケツ(予定表)に組み込み、残った重要度が低い仕事を計画するといいでしょう」。

・中堅社員の場合:うまく共有ができていない
A.情報共有を確実に
→「最近は、メールやチャットなどで仕事を依頼するという人も多いことでしょう。簡単な仕事ならそれでもいいですが、難易度の高い仕事はきちんと口頭で説明し、優先順位を理解してもらえるようにするのが重要です。このように、情報共有を確実に行うようにすればスケジュールの乱れも改善されると思います」。

プロフィール: 佐藤 亙

1988年、モトローラ社に入社以来、一貫して人事畑を歩む。1993年にモルガン・スタンレー証券社に転職。パフォーマンスマネジメントを中心とした企画業務を経て、人事ジェネラリストとして人事業務全般に従事する。その後、日本ケイデンス・デザイン・システムズ社人事マネージャー、日本マイクロソフト社人事本部長、SAPジャパン社人事本部長・バイスプレジデント、日系ベンチャー企業の執行役員を歴任した後、2006年にフランクリン・コヴィー・ジャパン副社長に就任。「7つの習慣」をはじめとした研修全般のプログラム開発、講師マネジメント部門、オペレーション部門を統括している。