テクノロジーが進化し、AIの導入などが現実のものとなった今、「働き方」が様変わりしてきています。終身雇用も崩れ始め、ライフプランに不安を感じている方も多いのではないでしょうか。

本連載では、法務・税務・起業コンサルタントのプロをはじめとする面々が、副業・複業、転職、起業、海外進出などをテーマに、「新時代の働き方」に関する情報をリレー形式で発信していきます。

今回は、書評ブロガー・ビジネスプロデューサーの徳本昌大氏が、ビジネスパーソンに向け、人との出会いの重要性についてお話します。


自分らしい人生をデザインするために

書評ブロガー・ビジネスプロデューサーの徳本昌大です。読者の方の大多数は、今ビジネスパーソンとして活躍しているはずです。そして、自分には副業や起業は関係ないと多くの人は思っているかもしれません。実は12年前の私もみなさんと同じ意識で働いていました。60歳までサラリーマンとして働き、定年を迎えたあとは関連会社の顧問として生きる人生をイメージしていたのです。

しかし、人生の転機は突然現れます。人との出会いや新たな体験をすることで、今までとは違うビジネスをスタートすることもあるのです。私も編集者との偶然の出会いから著者になり、今では社外取締役やアドバイザリーとして、ベンチャー企業のアドバイスを行っています。20代、30代の時に今の働き方を私は全くイメージしていませんでした。未来は自分の体験によって、新たにデザインできることを私は40代の時に学びました。

最近ではテクノロジーが進化し、変化のスピードが速くなっています。今日の仕事が明日も続くと考えるのをやめ、時代の変化に応じた働き方を意識しましょう。いつでも転職や、独立できるように準備しておくのです。その時役立つのが、人との出会い、ネットワークなのです。

僕はいつも何かアイデアを構想するとき「出会い」+「ストック」+「違和感」というこの3つのプロセスを大事にしている

小橋賢児氏は「セカンドID―「本当の自分」に出会う、これからの時代の生き方 」のなかで、人との出会いを積み重ねることで、人生をよりよくできると述べています。著者の小橋氏はアイデアを練る時に、過去の出会い(経験)を大事にすることで、チャンスをつかまえてきました。

小橋氏は人気俳優→世界をまわる旅人→死の淵をさまよう病人→日本を代表するマルチクリエイターと今までにいくつもの職業を体験してきました。彼は「セカンドID」という、もう一人の自分のIDを作り出し、自分の人生の可能性を広げてきたのです。

私たちは学校、職場、旅、コミュニティなどから、さまざまな出会いを体験しています。出会いの中で生まれた感覚や意識、思考は自動的に自分の中にストックされていきます。時には違和感を覚える出会いを経験することもあるはずです。この違和感を感じる出会いが実は成長の機会になり、次の新しい出会いをデザインできるようになります。出会いを繰り返すうちに、ひらめきが生まれ、自分らしいセカンドIDを見つけられるようになるのです。

盲目的に目の前の現象を捉えずに、常にものごとを別の角度で見る。そこで違和感というサインを見逃さずに追求していく末に、また新たな発見と出会いがあるのではないか、と思っている。だからこそ、何かに「違和感」を覚えたときは、ある意味チャンスだ。その「違和感」は、いずれ何か大きなものに変化すると信じることが大切なんだと思う

違和感を感じる出会いは、その時には役に立たないかもしれません。しかし、その出会いをしっかりと記憶に刻むことが、チャンスの入り口になります。過去の体験と知識の組み合わせから新しいアイデアが生まれます。そこから自分のやりたいことが見つかったら、思い切ってアクションを起こしてみましょう。

年を重ねるうちに、やりたいことが変わるのは当たり前です。それを始める時に、過去の人脈や体験があなたの武器になります。転職したい! 起業したい! というアイデアが生まれたら、あとは勇気を持って、アクションを起こすだけです。自分らしい人生をデザインするために、「出会い」「ストック」「違和感」の3つのプロセスを大事にしましょう!

執筆者プロフィール : 徳本昌大

書評ブロガー・ビジネスプロデューサー
複数の広告会社で、コミュニケーションデザインに従事後、企業支援のコンサルタントとして独立。特にベンチャーのマーケティング戦略に強みがあり、多くの実績を残している。現在は、ベンチャー企業の取締役や顧問として活躍中。インバウンド・海外進出支援サービスなどを提供するEwil Japan取締役COO、IoT・システム開発のビズライト・テクノロジー 取締役、みらいチャレンジ ファウンダー、他ベンチャー・スタートアップの顧問先多数。書評家としても活動中。