暑い夏は、疲れやすく、体調を崩しやすい時期。仕事に集中して取り組むためには、体調管理ができるかどうかが重要です。夏バテになってしまうと、自分の能力を発揮することが難しくなってしまいます。今回は、暑さに負けない体を作る食事についてご紹介しましょう。
そもそも夏バテとは
夏バテの主な症状は、体がだるい、疲労感といったものです。疲れが取れにくいと感じたら、夏バテの可能性があります。暑さによって、寝つきが悪く睡眠不足であると、さらに疲れが残りやすくなります。また、エアコンの効いた部屋に長時間いる、屋外と室内の大きな気温差などによって、ストレスがかかり、自律神経を乱す原因にもなってしまいます。自律神経が乱れると、胃腸の調子が悪くなって、食欲不振の原因にもなります。
気温が高く、湿気も多いと体温調節がうまくいかなくなることがあります。体の水分が不足することも夏バテの原因となりますから、こまめな水分補給が大切になります。
水分補給は水か麦茶
のどが渇いたと思ったときには、すでに脱水が始まっていると考えられています。一度にたくさん飲むと、上手く吸収ができません。1回の水分摂取で胃が吸収できる200ml程度を目安に飲むようにしましょう。
水分補給をするときは、水や麦茶などがよいでしょう。カフェインの含まれるコーヒーや紅茶などは少量にしておくことが望ましいです。スポーツドリンクは塩分や糖分が含まれていますから、吸収しやすくなっています。ただ、飲みすぎはよくありませんので、運動時などたくさん汗をかいたときに利用するのがオススメです。
また、冷たすぎる飲み物は、胃の刺激となります。冷蔵庫で冷やした程度の5~15℃が最適な温度です。少しずつ飲むように心がけましょう。
お昼ご飯には、ビタミンB1がとれる豚肉を食べよう。
ご飯や麺に含まれる糖質を分解して、エネルギーに変わるとき、ビタミンB1が補酵素として働きます。そのため、ビタミンB1が不足すると、糖質が分解できずに乳酸などの疲労物質がたまってしまうのです。そうすると、疲れやすくなったり、食欲不振の症状がみられることもあります。
日本人の食事は、ご飯が主食であり、エネルギーを糖質に頼っているために、ビタミンB1は必要不可欠なビタミンです。甘い清涼飲料水、お菓子、インスタント食品などビタミンB1を含まないのに糖質を含む食品に偏った食生活を送っていると、ビタミンB1不足になりやすくなってしまいます。
また、ビタミンB1は水に溶けやすく、熱に弱いため、調理中に失いやすい特徴があります。ビタミンB1を多く含む食品である豚肉、うなぎなどを食べると効率よく栄養をとることができます。外食するときは、豚肉の生姜焼き定食などバランスを取りやすい定食のものを選び、豚肉がメインの料理を選ぶとよいでしょう。
気温が高いと、暑くて料理するのも億劫になり、そうめんや菓子パンなどで簡単に済ませてしまいがちです。しかし、そのような食事を続けているとたんぱく質やビタミン、ミネラルなどの必要な栄養が不足してしまい、体調を崩してしまいます。まずは、1日3食を必ず食べて、食事を抜かないようにしましょう。そして、豚肉などビタミンB1がとれる食材をしっかり食べて、暑い季節を乗り切りましょう。
筆者プロフィール: 岡田明子
管理栄養士。同志社女子大学管理栄養士専攻卒業後、高齢者施設に勤務し、利用者の食事管理を行う。その後ダイエットサプリメント会社の立ち上げに関わり、自身の13kgのダイエット成功経験をいかして「食べてキレイに痩せる」ダイエットメソッドを確立。独立後は、ヘルスケア関連を中心にレシピ監修や商品開発、講演や執筆活動、テレビなどのメディア出演などを務める。2014年に一般社団法人NS Labo(栄養サポート研究所)を設立し、栄養士、管理栄養士をサービスパートナーとして、健康事業のサポートとヘルスケア分野で活躍できる人材育成を行っている。著書に『妊娠できる体は食から 30代からの妊活食』(KADOKAWA/角川マガジンズ)など。