残業が続いて、夕食を食べる時間が遅くなる、飲み会が続いているなど、仕事が忙しいと不規則な生活になってしまうことがあります。食べ過ぎやお酒の飲み過ぎは、体調を崩す原因にもなってしまいます。今回は、胃もたれなど胃腸の調子が悪いときにおすすめの食べ物をご紹介しましょう。
食べ過ぎ、飲み過ぎで胃はどうなる?
胃の中にたくさんの食べ物が入ってきたとき、食べ物を十分に消化することができないために、胃もたれの症状があらわれることがあります。胃がすっきりしない、ムカムカする、お腹が膨れた感じがするといった感じがあり、消化に時間がかかります。この症状は、脂肪の多い食事をとる、ストレスによって胃の運動機能が低下する、辛い物の食べ過ぎ、タバコなどが原因となって起こります。
また、食べ過ぎると、消化を頑張ろうとして胃酸が大量に分泌されて、胃の粘膜が荒れたり、アルコールの場合は胃の粘膜を傷つけてしまうことで、胃もたれの症状が起きることもあります。
症状が長く続くときは注意
胃がもたれる、吐き気がする、胃が痛いなど胃腸の調子があまりよくなくても、そのまま様子をみる人も多いのですが、長く続くときは病気の可能性があります。
胃の粘膜にただれや出血などを起こす急性胃炎、ヘリコバクター・ピロリ菌の感染による慢性胃炎などが疑われます。なかなか改善しない、気になる症状がある場合は、消化器内科や内科を受診するほうが安心です。
胃に優しい食事を!
胃腸の調子が悪いときは、できるだけ胃に負担をかけない消化のよい食事がおすすめです。油を多く使う食べ物、冷たい物、辛い物は刺激になりますので、できれば避けた方がよいでしょう。
食べ過ぎはよくありませんので、腹八分を心がけ、よく噛んで、ゆっくり食べるようにしましょう。なかなかよく噛めない、時間がないという方は、一口サイズを小さめにする、会話しながら食べる、一口食べたら箸を置く、飲み物で流し込まないようにお茶やお水は食前、食後に飲むなど、食べ方を工夫することで早食いや食べ過ぎの予防になります。
胃もたれには、キャベツの千切り
キャベツは、ビタミンUを含み、傷ついた胃腸の粘膜の修復に役立つといわれています。また、キャベツを噛みつぶしたり、細かく切ることで、キャベツの中にある酵素が働き、胃の修復を促す働きのあるリゾホスファチジン酸ができるため、胃の修復に役立つ働きがあります。
ただし、熱に弱いため、生で食べることが大切になります。芯に近い内側の葉は、ビタミンUも多く含まれています。サラダやキャベツの千切りにして、よく噛んで食べるようにするとよいでしょう。
キャベツは煮て食べても免疫力が上がる!
キャベツは、免疫力や解毒力の効果があるといわれています。この働きは、加熱をしてもほとんど効果が変わらないことがわかっています。食べる量としては、1日あたり葉1枚の30~50g程度です。免疫力は、長時間続かないため、週に数日続けて食べると効果が期待できます。煮物、炒め物、スープなど火を通して食べると、かさも減り、多くの量が食べられますので、毎日少しずつ食べることを心がけてみましょう。
胃がちょっと疲れているなと感じたら、早めに対処することで、慢性化を防ぐことができます。食事は、キャベツを取り入れながら、胃に優しい物を選びましょう。また、ストレスが症状を悪化させる原因になることもあります。散歩、自転車こぎ、ストレッチなど適度な運動を行い、ストレス解消につなげましょう。不規則な生活から、睡眠不足が続く場合も胃もたれが起こりやすい原因になります。睡眠をしっかりとる、昼間は太陽を浴びるようにするなど生活リズムを整えるように心がけましょう。
筆者プロフィール: 岡田明子
管理栄養士。同志社女子大学管理栄養士専攻卒業後、高齢者施設に勤務し、利用者の食事管理を行う。その後ダイエットサプリメント会社の立ち上げに関わり、自身の13kgのダイエット成功経験をいかして「食べてキレイに痩せる」ダイエットメソッドを確立。独立後は、ヘルスケア関連を中心にレシピ監修や商品開発、講演や執筆活動、テレビなどのメディア出演などを務める。2014年に一般社団法人NS Labo(栄養サポート研究所)を設立し、栄養士、管理栄養士をサービスパートナーとして、健康事業のサポートとヘルスケア分野で活躍できる人材育成を行っている。著書に『妊娠できる体は食から 30代からの妊活食』(KADOKAWA/角川マガジンズ)など。