職業 :会社員・漫画家・家庭教師
現住所:エジプト・アラブ共和国

異国エジプトで、ダブルワークならぬトリプルワークをこなす「おろぐちともこ」が、仕事を含む現地生活をマンガとコラムでご紹介。
ピラミッドだけじゃない、うさんくさいけどどこか憎めない国「エジプト」をご堪能ください。(毎週火曜更新予定)

【そこまでやるの!? エジプトの「雑用係」】
電話対応、お茶くみ、資料整理、コピー……。会社で雑務を任されている若手社員の方もいらっしゃると思います。

周りの話を聞くと、エジプトでは、こうした本業以外の仕事をまとめて引き受けてくれる「雑用係」を雇っている会社が結構あるようです。彼らの仕事は、お茶くみ、職場やトイレの掃除、備品・昼食の買い出しなど多岐にわたります。職場の「頼れる何でも屋さん」といったところでしょうか。

雑用係のお兄さんに対する私の悩みは「何を頼んでいいのかわからない」ということ。人を使うという経験もあまりないですし、お茶なども自分で入れた方が早いと思ってしまうタイプなのです。

一方、エジプト人の同僚たちはスマートです。必要な仕事はしてもらうけど、無理難題は押し付けない、という絶妙なさじ加減で雑用のお兄さんを使っているようです。

ただ、雑用のお兄さんが鼻歌交じりでオフィスのじゅうたんを丸洗いしている光景には驚きました。一般社員はじゅうたん洗いまでお願いすることはほぼ無いので、恐らく社長やそれに準ずる偉い人に頼まれたのかと思われます。会社の中の地位によって、雑用係に頼める仕事も変わってくるのかもしれません。

相手にもよりますが「ここまでならお願いしても大丈夫だろう」というラインを軽々と越えて、何でもこなすエジプトの雑用係。この光景を見すぎたせいか「雑用」の定義がわからなくなり、お兄さんに仕事をお願いする難易度は更に上がっていくのでした。

乾燥地帯のエジプトでは洗濯物がすぐ乾きます! ただし、砂嵐に注意。一瞬で洗濯物がおじゃんになります……。


おろぐちともこ
大学時代古代エジプトを勉強していたためエジプトの地を踏むこと6回。7回目に踏み入れた2011年よりエジプト在住。日々、エジプト人観察に励む。
現在はWebやエジプト人による日本語雑誌を中心に漫画を描いたり、漫画のデジタルアシスタントしたりと、漫画の活動の幅も国境を越えて拡大中。至上の喜びは、素敵なカフェで水タバコの煙をゆらしながら、ぼけっとお茶をすること。
生活記Blogつぶえじでは、現地の生活の様子を不定期に発信している。