異国エジプトで働く「おろぐちともこ」が、仕事を含む現地生活をマンガとコラムでご紹介。ピラミッドだけじゃない「エジプト」をお楽しみください。(毎週火曜更新予定)

【通行止めの理由】

エジプト人に日本語を教える家庭教師の仕事の日。いつもは授業時間の前に着くようにしているのですが、その日は約束時間の前に別の用事があったので、少し早めに家を出ることにしました。

市バスが走る大通りに出るために、トゥクトゥクを拾おうと家の前の道路へ。「ヘーイ」と勢いよく乗りたいサインを出したら、とてもよいタイミングでトゥクトゥクをGETできました。

「さらっと乗ることができたし、今日は順調に用事がこなせるぞ!」と、思ったのもつかの間。「大通りに抜ける道は通れないから、ちょっと遠回りになるよ」とトゥクトゥクの運転手が言うでないですか! 遠回りになれば運賃も上がるし、時間も余計にかかります。「え? なんで!?」と食い下がったら「今はお祈りの時間だから、モスクの周りに人がたくさんいて通れない」とのこと。

そっかー!! 忘れてた…! 今日は金曜日だった…!

そう、イスラム教では、毎週金曜日のお昼前に行われる集団礼拝を行います。人々はモスクに集まるのですが、中に人が入りきれないので、道など建物の外に敷物を敷いてお祈りをするのです。

カイロにあるムハンマド・アリ・モスクの天井。装飾がとても細やかです

そして大通りまで行くいつもの道は、モスクの角を右に曲がらねばいけません。つまり、その道は通れないということ。

そんなわけで、ちょっと遠回りにして大通りへ行くことに。思わぬロスタイムですが、仕方がありません…。時間はちょっとギリギリでしたが、なんとか用事をこなして仕事へ行くことができたのでした。


おろぐちともこ
大学で古代エジプト史を専攻し、2011年よりカイロ在住。日々、エジプト人観察に励む。
現在はWebやエジプト人による日本語雑誌の漫画を執筆したり、デジタルアシスタントをしたりと、国境を越えて活動中。至上の喜びは、素敵なカフェで水タバコの煙をゆらしながらぼけっとお茶をすること。生活記Blogつぶえじでは、現地の生活の様子を不定期に発信している。