異国エジプトで、ダブルワークならぬトリプルワークをこなす"おろぐちともこ"が、仕事や現地生活をマンガとコラムでご紹介。ピラミッドだけじゃないエジプトをお楽しみください。(毎週火曜更新予定)

【まさかの未完】

我が家のキッチンはガスボンベ式。ガスが切れるとビルのバワーブにお願いして交換してもらう必要があるのですが、すぐに交換してくれるとは限らないため、一度切れるとかなり面倒臭いのが難点です。

そんなある日大家さんから、ガスボンベを都市ガスに変える工事をするとのお達しがありました。都市ガスはガス管から供給するので、ボンベが不要になります。…ということは、バワーブの「ガスボンベ交換するする詐欺」から開放される!? ガス切れで数日間コンロが使えないという苦行から脱却できるわけです。ひゃっほーい\(^o^)/

しかしながら、ことはそんなにうまく進むわけがありません。「都市ガスになるわよー」と宣告されてはや2カ月、ちっとも工事が始まる様子がないのです。

まあそんなもんか…とガス工事のことを半ば忘れかけていた頃、同居人と一緒に旅行に行くことになりました。大家さんには出発前に「家を空けている間にガス工事の人が来るかもしれない」と言われましたが、「今までちっとも来ていないのに来るわけないよね~」と旅だった私たち。完全に油断しておりました。

旅行先を満喫し疲れて帰宅すると、キッチンが大惨事。どうやら旅行中に工事が行われたようなのですが、ガス管を通すために壁に穴を開けたのでしょうね…そのときのがれきがガス台の上に。粉じんが舞ったのか、作業台等は真っ白くなっていました…。何も知らなければ、ここで爆発事故が起こったのでは!? と疑うレベルです。

日本だと片付けもやってくれるのですが、ここでは工事の人は工事の仕事しかしません。後片付け、清掃は住人の仕事のようです。それにしても、この徹底した仕事の線引き。もはやすがすがしさを感じます。楽しい旅行から帰ってきて早々、大掃除になるとは…ガス管工事を甘くみていました。

我が家のキッチン。ようやくガス管が通ったのですが…

仕方がないので手分けして掃除を始めた訳ですが、同居人が手を止め「ガス工事、まだ終わってないみたい…」と一言。え、こんなに工事の跡があって汚いのに、終わっていないの…?と思い、よく見てみると、ガス管はコンロに接続されていないのです。

つまり、今回はガス管を引いただけで終わり。まだガスは通っていないということ。また工事が行われるのか、果たしてガスが通るのはいつになるのか…。頭のなかは粉じんのように真っ白くなり、力尽きたのでした。


おろぐちともこ
大学で古代エジプト史を専攻し、2011年よりカイロ在住。日々、エジプト人観察に励む。
現在はWebやエジプト人による日本語雑誌の漫画を執筆したり、デジタルアシスタントをしたりと、国境を越えて活動中。至上の喜びは、素敵なカフェで水タバコの煙をゆらしながらぼけっとお茶をすること。生活記Blogつぶえじでは、現地の生活の様子を不定期に発信している。