異国エジプトで、ダブルワークならぬトリプルワークをこなす「おろぐちともこ」が、仕事を含む現地生活をマンガとコラムでご紹介。ピラミッドだけじゃない「エジプト」をご堪能ください。(毎週火曜更新予定)
【靴磨き屋は諦めない】
日本では見かけることが少なくなった靴磨き屋さん。
エジプトには未だにたくさんの靴磨き屋さんが、人の行き交う路上や駅前などで仕事をしています。砂埃などで靴の汚れやすいエジプトでは彼らは重宝されているようで、パリっとしたスーツを着こなすサラリーマンが靴を磨いてもらっている光景をよく見かけます。
靴磨きは、台の上に足を置き、ゴシゴシとこすって汚れを落とし、ツヤを出すという一般的なやり方。お客さんと談笑しながら手を動かして、あっという間に磨き上げます。
私もオープンカフェお茶をしていた時に靴磨き屋さんに声を掛けられ、履いていたローファーを磨いてもらったことがあります。別のところで磨いてくるからと、靴を脱がされて持って行かれた時は「靴が帰ってこなかったらどうしよう…」とちょっとドキドキしました。渡されたダンボールに足を乗せて待っていると、ピカピカになった靴を持ったおじさんが帰還。美しくなって戻ってきた靴を見て、靴磨きってすごいなあと感動したものです。
お客さんを待つ靴磨きのお兄さん |
また別の日にお茶をしていると、「靴磨き、どう?」と営業が。残念ながらその日に履いていたのはサンダル。「磨くところないでしょう?」と言って断ると、一瞬「ぐぬぬ」と引き下がったものの、「サンダルでも綺麗にしてやる!」と更に縮まる間合い。諦めないその靴磨き魂…、すごい。
そのプロ意識(?)には関心したものの、「サンダル磨き」は丁重にお断りさせていただきました。
おろぐちともこ
大学で古代エジプト史を専攻し、2011年よりカイロ在住。日々、エジプト人観察に励む。
現在はWebやエジプト人による日本語雑誌の漫画を執筆したり、デジタルアシスタントをしたりと、国境を越えて活動中。至上の喜びは、素敵なカフェで水タバコの煙をゆらしながらぼけっとお茶をすること。生活記Blogつぶえじでは、現地の生活の様子を不定期に発信している。