リモートワークやワーケーションが一般的になった時代が来ている。新型コロナウィルス感染拡大の阻止がきっかけであり業種によっては難しい場合もあるとはいえ、勤務地を自由に選択できるのは新時代感がとても強い。油断してるのかリモートワーク廃止と言い出している企業があるようだがそれはそれとして、PCとネットがあれば遠隔地で働くことが可能であるということが実証されたのは事実である。しかも、自宅勤務のリモートワークだけでなくリゾート地などで休暇をを楽しみつつ仕事もするというワーケーションも多少ながら広まってきている。とはいえワーケーションについては、休みの時は休ませろという意見もあるが、ひとまずそれは置いておこう。とにかくそうしたことが可能なのである。
そんないま色々いいタイミングが重なったため、実際にワーケーション(のようなもの)を体験し実行する場合になにが必要なのかを数回に分けてレポートしていくこととする。具体的にはちょうど茨城県北部にある実家の近くに親戚の持ち家が空き家になったので、そこで仕事をしつつ暮らしワーケーションを行うのである。
この家の状況は
- 電気・ガス・水道は通っている
- 電話回線はない。当然ネット回線もない
- デジタル機器はテレビ一台
という単に住むだけなら困らないというもの。
中でもネット回線がないことがかなりキツい。これはホテルを上回る大変さかもしれない。引っ越しなら家から機材を持ってくればいいのだが、今回は短期間の滞在である。そうした部分を始め、この状況でなにがあれば助かるのかをレポートしていこう。
映画! ドラマ! アニメを見るぞ!
これは本当にワーケーションなのか? という疑問が少し湧きつつも、別荘みたいなところで仕事をしている状態だからワーケーションだと自分に言い聞かせつつ、仕事をしている毎日である。ちなみに年末年始を締め切りに設定してくるクライアント様がいらっしゃったので、ほぼ休み無しだ。前回紹介したようにゲームしたいのに! そして映画を見たり本を読みたいのに!
というわけでPCというかネットがあれば楽しめる息抜きとして、NetflixやAmazonビデオなどの映像配信サービスとAmazonのサービスであるKindleやDMMブックスといった電子書籍サービスのお世話になることにしよう。
映像配信サービスでも音響にこだわりたい
NetflixやAmazonビデオ、Hulu、Disney+」といった映像配信サービスを楽しむのはもう一般的な行為だろう。むしろ、それらのサービスでウォッチリストに放り込んだ作品が多すぎてもう選ぶのが面倒という人もいるはず。そうした悩みはともかくとして、PCとネットがあれば最新映画まで楽しめるのはやはりメリットだ。しかし、実際に楽しむ際にステレオサウンドではもったいない。できるだけハイクオリティな音響で作品を楽しもう。
モバイルノートPCではスピーカーサイズに限界があるため、気軽に見るくらいなら十分だが音響が大事な作品では、サラウンド環境を物理的に構築するのは出先でなく家でも難しいので、前回ゲームでも紹介したようにヘッドホンがあるといい。密閉型や開放型、またはイヤホンでもそのへんは好みでいいが、サービスによって対応するサウンドレベルに違いがあることは把握しておきたい。現在、一番簡単に5.1chサウンドが体験できるのはNetflixのアプリ経由での再生だ。これをヘッドホンでWindows 10に標準搭載されている「Windows Sonic for Headphones」を使って聞くと、バーチャルながらサラウンド感覚が味わえる。もっとこだわりたいなら、Microsoft Storeにて「Dolby Access」アプリを購入するという手段もある。
そのほかのAmazonビデオやDisney+では、「FireStick TV」といったストリーミングデバイス経由での視聴でないと5.1chサウンド再生は不可能となっている(2022年1月2日現在)ため、テレビを一台確保せねばならない。
テレビがあれば映画はできるだけ大きな画面で見たいということでHDMI接続で映像をそちらに流し、音響をPCからにしてヘッドホンを利用するだけでもサラウンドでなくとも十分に楽しめるだろう。
ちなみに、今回メインPCにしている「G-Tune E5」はゲーミングノートPCなのでそれなりに本体に厚みがあるが、スピーカーのサウンドも"厚み"がある。しかもゲーミングPCだけあって「Sound Blaster Cinema 6+」というサウンドエフェクトを施してくれるソフトがプリインストールされていた。これにより、ゲームや映画などの利用シーンに合わせた音にチューニングしてくれるのだ。これをヘッドホンと組み合わせればノートレベルでは最高級の音響環境が整うはずだ。
もし、配信サービスに入っていない作品が見たいというのであれば、外付けのDVDもしくはBlu-rayドライブを持って行くのも手だ。小型なので荷物にもならない。私も持ってきている。ドライブはBUFFALOの「BRXL-PTS6U3-BK/N」で、ソフトは配信されていなかったり発売日が原稿執筆中だったのでAmazonから届けてもらった作品だ。「ガールズ&パンツァー 最終章第3話」では、知波単の奮闘や○○○○チームが撃破で終わったがどうなっちゃうの!? と劇場に行ったのにBlu-rayで見てもドキドキである。
電子書籍はセールが多い! 見つけたらすぐ飛びつけ!
KindleやDMMブックスといった電子書籍は、いつでもどこでも購入できすぐ読めるメリットがある。しかも何百冊と収納可能だ。ワーケーションというか旅行ではその利便性を最大限に享受できる。部屋を埋め付くほどの本がスマホ・タブレット1枚に収まるのだから。
これはPC関係ないでしょ? と思ったあなた、それは甘い。PC用の読書閲覧ソフトを提供しているサービスもある。それでもスマホやタブレットのほうが見やすいでしょ? と思うのも甘い。そうしたソフトに「ごろ寝マウス」というトラックボールとクリックボタンを握れるほどコンパクトに抑えた空中で使えるポインティングデバイスを併用すれば、PCをブックスタンド代わりにできるうえほぼ手を動かさずページがめくれるのだ。筆者は普段、サンワダイレクトの「ごろ寝マウス」を使っているのに、今回は持ってくるのを忘れたことを非常に悔やんでいる。電子書籍やノベルゲームと非常に相性がいいので、そうした趣味がある人はライフスタイルが変わるレベルで便利である。
しかも、各電子書籍プラットフォームで大規模なセールを頻繁に行っている。Kindleもかなりのセールを行っているが、今一番熱いのはDMMブックスの「スーパーセール」だ。これは、12月16日以前に配信された作品のほとんどが50%ポイント還元なのである。ちょっとしたセールであれば、これまで使っていたプラットフォームを利用するほうが利便性があるが、多くの本が実質半額なので、長編マンガなどを一気買いしたり紙から電子に置き換えるのにぴったりだ。期間は1月20日15時まで。このセールは年に数回行われる。
筆者は、小説はKindleデバイスのe-inkの見やすさから小説はKindle、タブレットでカラーも欲しいマンガはDMMブックスと使い分けている。利用しているのはKindleは廃番になってしまった「Kindle Voyage」。タブレットは「HUAWEI MediaPad M5 lite」。なぜVoyageを使っているのかについては1,500文字くらい語り出してしまうので今回は割愛するが、e-inkの見やすさ、眼に対する優しさは使えばわかるので、興味があるかたは3日より始まっているAmazonの初売りセールをチェックしてみてほしい。
ここまで4回にわたりワーケーションを行う際に持っていると便利なアイテム・サービスを紹介してきた。後半はただのデジタルコンテンツをより楽しむ方法になっていた気がするが、現実問題として家から離れた場所でも家と同等に楽しめるコンテンツはそうした存在になるのである。みなさんも、ワーケーションだけでなく、帰省や旅行において連載で紹介したアイテムを活用してほしい。