これから共働きで子育てしていくとなった時、子育てに関することだけでなく、復帰に向けた準備や両立方法など複数の視点で考えなければならず、不安を抱えがちです。そんな皆さんに知っておいてもらいたいのが、前回ご紹介した日本版ネウボラです。
具体的にどういった点が子育てしながら働く皆さんのメリットとなるのか、日本版ネウボラの先進地域である埼玉県和光市にて子育て世代包括支援センターの施設長をされている榊原久子さんにお話を伺いました。
産後の復帰を見据えたアドバイスを妊娠中から受けられる
ネウボラの特徴でもある妊娠期から子育て期までの切れ目のない支援体制は、産後の職場復帰を見据える際の一助となります。例えば、母乳育児を続けながら復帰することを希望している方であれば、育休中からどんなことに気を付けておくとよいか、復帰までに何を用意すればよいか、復帰後の母乳育児をどう続けるかなど、一緒に個別プランを作ってくれます。もちろん母乳育児に限らず、個別のニーズに合わせて様々な相談にのって支援方法やプランを考えてくれます。
夫婦が良いチームとなれるよう支えてくれる
仕事復帰するにあたって産後の女性の身体がどのような状態になるか。また、その際に パートナーとしてできることは何か、といった知識を夫婦そろって学べる場と機会を得られるのも、子育て世代包括支援センターの特徴の1つです。夫婦がチームとして産後の子育てと社会復帰に向かえる。そんな夫婦関係を作るための支援を受けられる。これらは初めての子育てに向かう夫婦にとってはとても心強いサポートとなります。
母親が復帰後に精神的にいっぱいいっぱいになり、母親自らがSOSを発する余裕すら無くなっているケースは少なくありません。そんな時、夫が妻の状況を把握してサポートしたり、夫から子育て世代包括支援センター等に子育てのSOSを発することができれば、母親だけに負担が行くことを防ぐことができます。そういったチームとしての強さを育むことを、育児がスタートする前(妊娠期)から意識することができれば、産後の復帰や両立生活にも安心して臨めるのではないでしょうか。
ネウボラ拠点では、母子保健ケアマネージャーが相談に訪れる人(家庭)の状況に応じてオーダーメイドで子育てに役立つプランを作ってくれます。個別にご家庭の状況をお伺いしながら、家族に合わせたより具体的な支援が得られるという点で、これまでの支援体制ではカバーしきれなかったニーズに対応しているといえます。和光市以外の自治体でも続々と導入が進んでいるので、お住いのエリアのネウボラ拠点を訪れてみてください。
※画像は本文と関係ありません。
著者プロフィール
株式会社ここるく 代表取締役 山下真実
「わが子を大切するために、ママが自分自身を大切にできる子育てスタイル」を提案し、人気のレストランが託児付きで楽しめるサービス「ここるく」を運営するママ起業家。
投資銀行や金融系コンサルなど金融業界でキャリアを積みつつ、2011年に第一子を出産。初めての子育て中に「今まで気にもとめていなかった当たり前の事が、産後は一 気にできなくなるんだ! 」と感じたことがきっかけとなり、現代に合った子育て支援を実現するため2013年に株式会社ここるくを設立。同サービス運営を通じて得られる働くママ達のリアルな視点とコンサル経験を活かして、企業に対する女性活躍推進コンサルティングを行う。
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