米国の実業家、イーロン・マスク氏に買収されて以降、Twitterは目まぐるしく変化しています。つい先日は、Web版のアイコンが暗号通貨のロゴにも使われている柴犬「かぼすちゃん」に変わり、話題になりましたね。現在は今まで通りの青い鳥に戻っています。
4月10日には社名が「Twitter」から「X」へと変更されました。これは、マスク氏が保有する企業「X」に合併したためであり、サービス名に関しては現在のところ「Twitter」のまま。マスク氏は以前から万能を意味するアプリ「スーパーアプリ」の実現を構想しており、電子決済機能などを持つスーパーアプリへとTwitterを進化させる第一歩を踏み出したとも考えられます。
そして4月20日(現地時間)には、認証済みアカウントの印であった「青バッジ」を削除し、サブスクリプションサービス「Twitter Blue」の加入者のみに絞ることが発表されています。無料版APIが停止され、有名な連携アプリが次々とサービス終了しているなど、私たちが親しんできたTwitterとはいよいよお別れのときを迎えているのかもしれません。
Twitter創業者が推す分散型SNS「Bluesky」とは
マスク氏の買収以降、Twitterの代わりになりそうなサービスに注目が集まっています。
特に「分散型SNS」と呼ばれる「Mastodon」や「Nostr」(アプリ名は「Damus」など)は、有力候補とされています。分散型SNSとは、これまでのSNSのように1つのサーバーにユーザーを集約するのではなく、ユーザーが設置した複数のサーバーがプロトコル(通信手順)によってつながって実現されるサービスです。
Twitterの共同創業者でCEOも務めたジャック・ドーシー氏は、Twitterをプロトコルにすべきだったと話しています。プロトコルであれば、国家や企業に所有されることがないというのがその理由です。
ドーシー氏が支援する分散型SNS「Bluesky」のiOSアプリ「Bluesky Social」が公開されました。Blueskyは、分散型SNSを構築する「AT Protocol」を使っています。
「ドーシーが推すなら、これこそ次のTwitter」と期待するユーザーが殺到――と言いたいところですが、現在は招待制です。私は運よく招待コードを入手できたので、さっそく使ってみました。BlueskyとはどんなSNSなのでしょう。
まず、アプリをインストールし、ユーザー登録します。利用するプロバイダーを選択(基本はBluesky)して招待コードを入力、メールアドレスとパスワードを設定します。アカウントは13歳以上しか作れません。そしてハンドルネームを付けます。ハンドルネームとプロバイダー名をつなげたものが、「フルハンドルネーム」になります。これで登録は終了です。
アプリの画面はTwitterによく似ているため、使い方に大きく戸惑うことはなさそう。現在のところハッシュタグはサポートされておらず、動画の投稿もできないなど、基本的な機能のみとなっています。
ユーザーは英語を使う人が多く見られますが、日本語ユーザーの投稿を中心におすすめしてくれます。アプリ名にちなんで、青空を投稿している人をよく見かけますね。また、Blueskyへの意見や感想も多く投稿されています。これからユーザーが増えるにつれ、Blueskyならではの文化が生まれるかもしれません。興味がわいたら、ウェイトリストに登録してみてください。
また、FacebookやInstagramなどを運営するMetaも分散型SNSの開発計画を立てているとの報道もあります。今後、分散型SNSが普及していくのか注目していきたいと思います。