生成系AI(Generative AI)が話題になっています。生成系AIとは、機械学習した大量のデータをもとに、新たなテキストや画像などを生み出すAIを指します。

対話形式でテキストを生み出す「AIチャット」としては、OpenAIが開発した「ChatGPT」が特に有名です。ChatGPTは日本語にも対応しており、これまでのチャットボットよりもずっと自然な対話ができます。例えば、最初に「旅行に行くならどこがいいかな」と問いかけたら、その後に続く会話も旅行を検討していることを前提としたやり取りになります。先日の国会では、立憲民主党の中谷議員がChatGPTを使って質問を作り、岸田首相に問いかけたことも話題になりました。

  • 話題のAIチャット、SNSの投稿で利用する人も増えています

さて、SNSの投稿を見てみると、ChatGPTで自分の名前を聞いたり、歴史について尋ねたりと、検索に使っている人が見受けられます。ChatGPTに使われている自然言語処理AIモデル「GPT-3.5」は2021年9月までのデータを学習しているため、それ以降の情報を持っていません(この記事を執筆している時点で最新のGPT-4がリリースされていますが、ChatGPTで利用するには有償プランの契約が必要です)。また、必ずしも正しい事実が回答されるわけではない点も注意が必要です。そのためビジネス利用としては、ブレストに使ったり、メールの文章を生成したりといった真偽に関わらないケースが多いようです。

ChatGPTを使うには、OpenAIのWebサイトでサインアップしてログインします。テキストボックスに質問を入力すると、返答が得られます。もっと気軽にChatGPTを使ってみたい人は、LINEでChatGPTが使えるサービス「AIチャットくん」と「友だち」になってみてはいかがでしょう。

  • LINEでChatGPTが使える「AIチャットくん」(picon)

AIチャットくんをLINEで「友だち追加」するだけで、すぐに利用できます。通常のLINEと同様に質問を投げかけると、ChatGPTが生成した回答が返ってきます。無料で使える回数として1日5回までという制限がありますが、リリースから3週間で登録者数が80万人を突破している人気ぶりです。

利用例には、話し相手や3日分の献立作り、お礼メールの作成などが挙げられています。筆者は「SNSで賞賛されたい」と入力してみました。すると、「SNSで賞賛されるためには、人々が共感できる価値観や趣味、興味を持ったことを発信することが重要です。」から始まる、納得のいく手段と注意点が表示されました。

漠然とした質問として「かわいくなりたい」と入力したところ、理路整然と美容やファッションに関するアドバイスをもらえました。

  • かわいくなるための方法がいくつも提案されました

このほか、「女性だけで旅行に行くならどこがいいか」と質問し、さらに「国内がいい」など追加質問をしてみました。繰り返し質問することで自分の頭も整理され、旅行の行き先を絞り込んでいけます。もやもやと悩みがあるときに、トークを送ってみるとすっきり解決しそうです。

LINEよりも速く回答が得られるスマートフォン向けアプリ「AIチャットくん」も3月24日にリリースされています。

ほっこり温かい気持ちになる「AIったー」

「もっとゆるくおしゃべりしたい」「SNSに疲れてきた」「Twitterの次が欲しい」といった人は、自分以外が全員AIのSNS「AIったー」はいかがでしょうか。

ななしさんが作成した「AIったー」は、つぶやきを入力するとChatGPTと自作のAIによって、RTや「いいね」、リプライが急速にたくさんつくサービスです。Twitterに似たデザインになっていて、AIによるつぶやきもまさにTwitterにありそうな文章。とにかく何をつぶやいても、すぐさまRTといいねの嵐になり、気分が上がります。リプライもポジティブな内容ばかりで、愚痴を書けば励ましてもらえるし、自慢すると一緒に喜んでくれます。

  • アカウント登録不要ですぐつぶやける「AIったー」

  • 「ペペロンチーノ食べた」だけで称賛のリプライがつきます

筆者がFacebookにシェアしたところ、「とても満たされる」「自分の製品をめちゃくちゃ褒めてもらえて自信につながった」「なんか幸せになる」と好感を持つ人が多数でした。たまにおかしなリプライもありますが、それもご愛敬と許せるほどのほっこり感です。

ChatGPTとの対話は、お役立ちから癒やしまで活用できるため、これから私たちの生活を変える力を持っているかもしれません。相談ごとをしてくる相手が「解決」と「共感」のどちらを求めているかを把握できず、もめごとに発展する事例をよく聞きますが、今回は「解決」したいなら「AIチャットくん」、「共感」されたいなら「AIったー」を使うと良さそうですね。