2022年7月2日午前1時30分ごろから、auの携帯電話サービスに通信障害が発生しました。au、UQ mobile、povoに契約しているスマートフォン、そしてau回線を利用しているMVNOが影響を受けました。音声通話とデータ通信が不調となったため、皆さんも不便を強いられたのではないでしょうか。auの通信障害は5日に回復しましたが、7日にはNTTドコモの携帯電話でも1時間ほど通信が利用しづらい状態になりました。
auの通信障害では、auをメイン回線にしている私も困りましたが、仕事柄サブ回線が複数あるため、テザリングで切り抜けられます。一方、auのスマホしかない娘は、「今日はお買い物やめて家にいる」と、外出を取りやめてWi-Fi環境のある自宅にいました。
今回のau障害は、au回線のスマホを1台、またはサブ回線もau回線を利用したMVNOだった人には大きな打撃だったでしょう。ただ、2台以上のスマホを持っている人は少数派かもしれません。
MMD研究所の「2022年3月 通信サービスの利用動向調査」では、18歳~69歳の男女約4万人のうち、サブ利用のモバイル端末を持っている人はだいたい10%。会社で支給されているケースもありそうですが、9割近くが1台のスマホで運用していることになります。
しかし、残念ながら今回のような通信障害はまた起きるかもしれません。そのときに災害などのトラブルが起きたら大変です。私たちはどうやって備えたらいいのでしょうか。
スマホの2台持ちや、公衆Wi-Fiで通信回線を確保する
先ほど少し触れましたが、いつでも連絡を取れる状態にしておくには、メイン回線とは異なる通信会社のスマホをもう1台持つことです。スマホの2台持ちにはそれなりにお金もかかるため、ためらう人は多いと思います。
でも今は、MVNOが月額料金の安いプランを提供しているので、月額500円以下で契約できるプランも豊富です。自分のメイン回線と異なる事業者の回線で契約しておくと安心でしょう。メイン回線がドコモなら、サブ回線はauやソフトバンクといった具合です。
スマホは、以前使っていたスマホがあるならそれを利用できます。中古スマホショップで型落ちのスマホを購入してもいいですし、MVNOのセットプランで購入する方法もあります。
もう一つの対策は、公衆Wi-Fiをうまく利用すること。通信会社がユーザーに提供しているWi-Fiは、駅や公共施設など、人が多い場所で利用できるようになっており、セキュリティ面も強固です。また、ショッピングセンターやカフェなどでWi-Fiを提供している場所もあります。鍵のマークが付いているWi-Fiなら、比較的安全に利用できるので、自分がよく立ち寄る周辺でWi-Fiが設置されている場所を探しておくとよいでしょう。
連絡手段はSNSを活用
通信が確保できたら、あとは連絡する手段です。電話をメインにしていて、ほかに連絡ツールがない人はぜひSNSを始めてみてください。
一番のおすすめは「LINE」です。LINEは利用している人が多いため、「友だち」としてつながっていれば、メッセージや無料通話、ビデオ通話で連絡が取れます。メッセージが読まれると「既読」マークが付くため、安否確認にも利用できます。
さらにLINEには、固定電話や携帯電話に電話をかけられる「LINE Out Free」という機能があります。LINE Out Freeは広告を見ることで、固定電話には1回3分、携帯電話には1回5分まで、1日に5回までは無料でかけられます。
LINE Out Freeは、LINEアプリの「サービス」から利用します。規約に同意して「利用開始」をタップすれば、番号を入力する画面が出てきます。通話したい番号を押すと、「広告を見て無料通話」ボタンが表示されます。場合によっては通話の前にSMS認証が必要になるため、一度試してみてください。
SMS認証は、自分の電話番号を相手に表示するために行います。あとは、再生される広告を見れば通話が始まります。無料通話ができる時間は3~5分と短いため、足りない場合はプリペイド式の「コールクレジット」を購入すると長く通話できます。もし、頻繁に利用したいなら、月額プランの契約も可能です。
また、InstagramとFacebookではメッセージと通話、ビデオ通話が利用できます。無料のWi-Fi回線を利用すれば、相手とも無料でつながります。相互フォローでなくても大丈夫ですが、相手が通話の通知を切っている場合は気づいてもらえません。こちらも、よく連絡を取る相手と一度試しておくと安心です。
通話以外でも、SNSは便利です。今回のような不測の事態が起きたとき、一斉にトラブルについてお知らせできます。電話を受けることが多い人は、TwitterやFacebook、Instagramで「通信障害で電話がつながらないので、メッセージを送ってください」と投稿しておくと、周囲の人も安心でしょう。
今回のau通信障害では、通信回線、端末、連絡手段を複数持っておくことの大切さを痛感しました。少しお財布は痛みますが、検討してみてはいかがでしょうか。