2022年のスタートです。今年、成人式に参加する平成13~14年生まれの人たちは、どのようにSNSを使っているのでしょうか。マクロミルが行った「2022年 新成人に関する調査」から、SNSに関する話題を紹介します。
デジタル機器はiPhoneが人気
今の若い世代は、子どものころからデジタル機器に囲まれて育ってきています。iPhoneが国内で発売された2008年、今年(2022年)の成人式に出席する人たちは小学校1年生でした。おそらく彼らが小学生のうちに、周囲の大人が続々とスマホを持ち始めたのではないでしょうか。
「あなたが所有し、利用しているデジタル機器を下記の中からすべてお選びください。」の1位は「スマートフォン(iPhone)」で、73%と高い割合です。2013年の新成人に行った調査から推移を見ると、2021年に一度減少しましたが、盛り返しています。「スマートフォン(Android)」はというと25.6%で、iPhoneと大きく差が開いています。
2015年まではAndroidが優勢だったのに、2016年に逆転していますね。2016年は通信料金を割り引くことで端末代金を「実質0円」とする販売方法が事実上禁止となった年でした。「FeliCa(フェリカ)」に対応したiPhone 7の発売と、MVNOによる型落ちiPhoneの販売によって、iPhoneが若者にも注目されるようになったのかもしれません。
SNSはInstagramとTikTokが急上昇
新成人が利用しているSNSを見ると、1位は「LINE(95.8%)」です。親しい友人だけでなく、家族や部活の仲間、アルバイト先との連絡用など、LINEは欠かせないメッセージツールになっています。
2位は「Twitter(84.2%)」です。若者はTwitterに複数のアカウントを作り、友人とのコミュニケーションや情報収集に使っています。新成人(に限ったことではないですが)の多くは、幼なじみや学校の友人とつながっているメインアカウントと、親しい友人だけとつながるサブアカウント、趣味用のアカウントといったように、3つ程度を使い分けていると思います。
そして3位のInstagram(80%)、4位のTikTok(33.0%)の大躍進が目をひきますね。Instagramも、Twitterと同じように複数のアカウントを使い分けている人が多いSNSです。大人がよく使うフィードへの投稿はあまり行わず、24時間で消えるストーリーズをよく使っています。ストーリーズは公開範囲を親しい友人だけに限定できる点もいいのでしょう。日常のふとしたことを気軽に投稿しています。DM(ダイレクトメッセージ)もよく使われています。LINEよりも親しい仲の人と交わす傾向があります。
TikTokは、発信するよりも閲覧に使っている人が多いSNSです。TikTokに投稿されている動画は最長3分と短めなので、空き時間にすぐ楽しめます。ジャンルも多彩になっており、ダンス、お笑い、ゲーム実況、料理、ヘアメイクなど、見始めるとキリがないほど。TikTokで誰かが踊ったダンスを別のユーザーがマネをして拡散していく「ミーム」現象も起きています。
情報源にもなるYouTubeやTikTok
新成人が利用している情報源は何でしょうか。トップは「テレビ(69.4%)」です。テレビ離れとも言われますが、世の中のニュースや話題を知るにはテレビが使われています。
2位は「YouTubeやTikTok等の動画配信(54.4%)」。この選択肢は今回の調査で追加されていますが、傾向としては2021年もあったことでしょう。YouTubeとTikTokは、テレビ局やメディアが最新ニュースを配信しています。また、旬の話題もYouTuberによって取り上げられます。スマホでいつものようにYouTubeやTikTokを見れば、ニュースもチェックできるのです。
3位は「SNS上の個人による投稿(51.0%)」です。友人からの口コミに近い情報源ですね。
信頼している情報源はテレビやニュースメディア
利用している情報源のうち、信頼しているものを尋ねた問いでも「テレビ」が1位(45.8%)です。2位は「ニュースサイト・ニュースアプリ」(22.6%)、3位が「実際に会って聞いた話(21.0%)」です。
若者はSNSの情報をうのみにすると勘違いされますが、実際には大手メディアを信頼しています。そして、知り合いから直接聞いた情報も信じます。SNSに流れている情報はすべて真実ではない、と体感しながら成長してきているのだと思います。
ここで、私が最近心配していることをひとつお話しさせてください。2位に入った「ニュースアプリ」は、その人の興味に合わせたコンテンツがレコメンドされる仕組みです。知らないうちに、偏った情報しか見えなくなる「フィルターバブル」に陥ってしまうかもしれません。ぜひ、テレビのように広く情報を得る手段も、引き続き利用していってほしいと思います。もちろん、大人も同じです。
最後になりましたが、新成人の皆さま、そしてご家族さま、誠におめでとうございます。幸多き日々でありますように。