イマドキの若い女性がハマっていることといえば、「推し活」です。推し活とは、「推し」、つまりイチオシの人やモノを応援する活動のことを指します。「推し」という言葉は、AKB48のような人数の多いグループの中で、自分がイチオシのメンバーを「推しメン」と呼んでいたことから生まれたとされています。もともとオタクといわれる人たちがよく使っていたこともあり、「オタ活」や「ヲタ活」と呼ぶ人もいます。

推し活の流行は、別記事「10代~20代女性は楽しみ発見の天才、2021年上半期のSNSで流行ったのは?」でも触れました。流行ったもの1位の「推しグラス(推しの名前を書いた手作りグラス)」以外にも、「推しカチューシャ」「推しゴーグル」「推し傘」など、皆さん手作りグッズを作って推し活を楽しんでいます。

  • 「推し」の対象や「推し方」はさまざま

SHIBUYA109 lab.が2021年7月に発表した「コロナ禍におけるZ世代のヲタ活実態調査」 によると、Z世代(※)の女性の75.5%が「〇〇ヲタと言えるものがある」と回答しています。そして、「現在行っているヲタ活」の1位は「SNSで情報収集を行う」、2位は「推しの動画を見る」、3位は「公式グッズを買う」と答えており、SNSで積極的に情報を収集し、コロナ禍でもできる推し活を行っていることがわかります。

※Z世代:1990年代の中盤から2000年代の後半にかけて生まれた世代

推し活にもっとも利用されているのはTwitter

では、推し活にはどのSNSが活用されているのでしょうか。電通GIRL’S GOOD LABが2021年6月に発表した「推し消費」調査では、推しに関する情報を調べるときに「Twitterで調べる」と答えた人がもっとも多く、83.2%でした。理由としては、「情報がすぐに取得できる」「情報量が他のSNSと比べて多い」といった意見があったそうです。

Twitterは複数アカウントを使っている若者が多いので、推し活アカウントを作っている人も多数。同じ推しを持つ人たちでつながり合うことで、最新情報をシェアしたり、推しへの愛を語り合ったりと、存分に推し活できます。リアルの友人とつながっているメインのアカウントでは、自分の推しに興味がない人に引かれてしまうかもしれませんからね。

そして、2位は「Instagramで調べる」(7.7%)。Z世代の女性のインフラとなりつつあるInstagramも、もちろん活用されています。Instagramも複数アカウントが作れるので、推し活アカウントでつながり合っています。芸能人やミュージシャンを推している人は、推しがInstagramライブで突発的に配信してくれることもあり、フォローせざるを得ないと言ってもいい状況です。

3位は「YouTubeで調べる」(63.4%)。推しのオフィシャル映像はもちろん、最近では本業とは違った内容のコンテンツを配信する著名人も増えており、YouTubeのチェックは重要です。ライブ鑑賞などが難しいコロナ禍では、YouTubeで動いている推しを見ることも癒しになりますね。

上記は「調べる」ときにどのSNSを使うかという調査ですが、自分が推しの情報を発信するときにもTwitterとInstagramが使われます。Twitterで推しのツイートをRT(リツイート)して応援したり、「#推しのいる生活」といったハッシュタグで画像を投稿して推しへの愛をアピールしたりと、推し活にSNSは欠かせないツールとなっています。

  • Instagramの「#推しのいる生活」は約81.7万件の人気ハッシュタグ

Z世代の女性、推しに関する商品やサービスへの消費についても見てみましょう。『アイドルやアニメの「推し」に関する商品・サービスについて、「吟味して買う・選ぶ」と「衝動買いする」ではどちらが多いか』という問いには、「いつも衝動買いする」「どちらかといえば衝動買いする」が合わせて約50%の回答になっており、しかも金額を気にしないと答えた人は63.9%もいます。推しであればためらわずに購入するんだとか……。推しのためなら金額も気にせずに買い物をするという、いかに推し活に燃えているかよくわかるデータです。

推しがいたりあったりするとワクワクすることが増え、毎日が楽しくなります。何を推すか、どうやって推すか、どこまで深く推すかは自由。Z世代と言わず大人も推し活してみませんか。