招待制の音声SNS「Clubhouse」の人気によって、音声チャットの魅力に注目が集まっています。そんな折、Twitterが音声チャット機能「Spaces(スペース)」のベータテストを日本でも開始しました。スペースとは、いったいどんな機能なのでしょうか。
「Spaces(スペース)」とは
Twitterのスペースは、Twitterのユーザーと音声で会話する機能です。2020年12月に米国でベータテストを開始、日本では2021年2月から一部のユーザーにベータテストの権限が付与されています。
まだリリース前なので仕様が変わるかもしれませんが、ベータテストの段階では「音声チャット」、「絵文字スタンプ」、「字幕(英語のみ)」、「ツイートの共有」が主な機能です。
スペースを始めるには、「ホスト」になるユーザーが「スペース」を立ち上げます。そのとき、「スピーカー」となる人を「全員」、「フォローしているアカウント」、「スピーカーとして招待したアカウントのみ」から選べます。スピーカーとして招待できるのは最大10人です。
スペースが始まると、Twitterアプリの上部(フリート部分)に、アイコンが紫色に囲まれた状態で表示されます。タップすると、「リスナー」か「スピーカー」かを選んで参加。招待されたアカウントは、ダイレクトメッセージからもスペースに入れます。
Clubhouseの違いは
Clubhouseは単体のサービス、スペースはTwitterの一機能という違いはありますが、同じ音声チャットということで2つを比較してみましょう。
もっとも異なる点は、スペースは聴覚だけではなく、視覚も使える点です。
スペースの絵文字スタンプはスピーカーでなくても使えるので、自分の感情を周囲に表明できます。Clubhouseはスピーカーになるしか、自分の思いを伝えられませんでした。でもスペースでは、リスナーのままで自分が笑っていることやおどろきなどを表現できます。話している人は「この話がウケているのか」がわかるだけで話しやすくなりますし、聞いているだけの人も観客として拍手をするような気持ちになれますね。
字幕は、リアルタイムで話を文字に起こす機能とのこと。聴力に障害を持つ人たちも会話に参加できるようにと実装されているそうです。現在は英語のみの対応で、すべてを正確に文字起こしとはいきませんが、日本語への対応も期待されます。
また、ツイートをスペースの参加者とシェアする機能も。あるツイートについてディスカッションしたり、ツイートの画像や動画を一緒に見たりしながら楽しめます。音声の会話を補足するためにツイートを使えるのはありがたいですね。
また、利用シーンにも違いがあるでしょう。Clubhouseはセミナーやパネルディスカッションなど、不特定多数の人を呼ぶイベントに向いています。あらかじめイベントのタイトルと日時、主催者をイベント画面に発表しておいたり、フォロー関係ではない人でもイベント画面を見て参加できたりします。
一方、Twitterのスペースは、フォロワーと交流を深めるために使われそうです。スペースが開催されるとアプリの上部に表示されますが、この表示はフォロワーのみ。DMやツイートでスペースの開催について拡散することはできますが、基本はフォロワー向けの開催です。
そして、スペースにはタイトルが付けられないため、そこで何が話されているのかわかりません。ツイートで宣言しておくといった告知をしないと、自分がリスナーとして入って良いのかどうか、ためらう人も多そうです。ただし、開催されているスペースを見つけやすくするように、改善していく予定はあるとのことです。
ClubhouseとTwitterのスペース、どちらも音声チャットという新たな可能性を見せてくれています。スペースの正式版はまもなくリリースとのこと。ユーザーがどう使い分けて定着していくでしょうか。