今やメッセージアプリの定番となっているLINEですが、リリースされた当初は「若者のアプリ」というイメージでしたよね。前回お話したように、今でも若者にLINEの人気は高く、99.2%の10代女子がLINEを「よく使う」と回答しています(「プリキャンティーンズラボ byGMO」2017年12月)。

  • 鈴木朋子のお父さんが知らない女子SNSの世界

    一部で噂されている「若者のLINE離れ」は起きているのでしょうか

はじめのころは、「既読」が付くことに抵抗や戸惑いを感じる人が多かったように思います。「未読スルー」「既読スルー」という言葉が生まれ、「既読を付けたらすぐ返信しないと失礼だ」といったカルチャーもいくつか誕生。いつの間にか「LINEのトークは通知で読むもの」になりました。

未読のままトークを読む方法に人気が殺到。私も何度か記事を書きました。Androidでは通知をストックできるアプリ「ちらみ」も人気ですね。iPhoneでは、iPhone 6s以降のモデルに搭載された「3D Touch」によって、未読のままトークを読めるようになりました。

ちなみに、どんなテクニックか、ご存じですか?

実は、トークリストの上をぐっと押し込むと、トークルームの中身がプレビュー表示されるのです。ただし、さらに力を加えてしまうと、トークルームが開き、一気に既読になってしまいます。繊細な操作が必要になりますので、トライするときはお気を付けて。

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    iPhoneの「3D Touch」を使って、未読のままLINEのトークを見ることができます

既読や未読に悩みつつLINEを使う

女子高生も当然、通知でトークを読み、未読のまま放置することが当たり前です。未読はどんどん溜まっていくので、「すべてのメッセージを一括で既読にできる機能」はとても歓迎されました。でも、「読んでるくせに既読付けなくて腹立つ」とか、「LINE返信しないくせにInstagram更新してるし」など、未読スルーへのいらだちはよく聞きます。

Testeeが2018年12月に更新した『現役JKのぞき見企画【Vol.6】「ひとり」に関する意識調査』によると、「SNSに疲れたことはありますか?」の回答に「ある」と答えた女子高生は、51.4%。

楽しそうに見える女子高生ですが、SNS疲れは感じているのです。理由のひとつに「既読無視すると後が面倒(18歳女性)」との回答もありました。やはり「既読スルーよりは未読スルー」と考える人が多いのでしょう。

そこで、未読スルーされることを防ぐアイディアも共有されます。鉄板は「最後にスタンプを送る」。すると、どんなスタンプを送ってきたかを確認するためにトークルームを開くというわけです。しかし、今のiOS版LINEアプリは、通知にスタンプのプレビューが表示されるようになっています。すべての人に通じるワザではなくなってしまいました。

未読が溜まりすぎて、LINEの通知に気づかないという女子高生もいました。「私もそうだけど、友だちもみんなLINE送っても気づかないから、急ぎの用事はInstagramとかTwitterのDMで送る。でも結局LINEも開くから、そうすると話題が2つになって、並行して話したりしてる」と楽しそうに教えてくれます。

では、一部で噂されている「若者のLINE離れ」は起きているのでしょうか。

「そうはいっても、大事なのはLINEなんだよね」と、女子高生たちは口をそろえて言います。まず家族との連絡ツールなので生活に切り離せないこともありますが、「バイト終わったら、すぐ友だちにLINE通話して話しながら帰る。すごくホッとする」と話す女子高生や、「小学校からの仲良しグループで気兼ねなく話すと癒やされる」という中学生も。LINEにストレスを感じることもあるけれど、小さいころから常にそばにいる、家族のようなメッセージツールなのでしょう。

著者プロフィール
鈴木朋子

鈴木朋子

ITライター・スマホ安全アドバイザー。SNSやスマホなど、身近なITに関する記事を執筆。10代のスマホカルチャーに詳しく、女子高生とプリクラにも出かける。趣味はへんてこかわいいiPhoneケース集め。著書は「親子で学ぶスマホとネットを安心に使う本」(技術評論社)など20冊を超える。