気づけば2019年も半年が過ぎ、もう下半期へと突入してはや1カ月……。時の速さに驚きますが、上半期を振り返るデータもいくつか出ているため夢ではないようです。この連載で注目するのは、もちろん女子たちの2019年上半期。10代女子に流行った言葉はなんでしょうか。マイナビティーンズが発表した「2019年上半期ティーンが選ぶトレンドランキング」を中心に、流行語を見ていきたいと思います。
「KP」動画大流行!
上半期に起こったもっとも大きな出来事といえば、「令和」への改元ですね。意外に思うかもしれませんが、女子たちも元号に敏感です。「流行ったコトバ」ランキング第1位は「令和最初の○○」。「#令和最初のプリクラ」など、TwitterやInstagramに投稿するときにハッシュタグとして記入します。Instagramはストーリーズ用に日本限定の「令和」スタンプもリリース。ハッシュタグとスタンプで改元をお祝いしていました。平成が終わるときには「平成最後の○○」も流行ったんですよ。
そして、第2位は「KP」。さっぱりわかりませんね。
「KP」は乾杯を略したコトバで、お父さん世代には乾杯の音頭といえば想像しやすいかと思います。数人でタピオカドリンクなどの飲み物を持ち、流行りのセリフや動作をして乾杯するところを動画で撮影し、TikTokやInstagramストーリーズに投稿するのです。
特に流行っているのは、「志は高く、愛情は深く、友情は等しく」というセリフで、ドリンクを高く上げたり、下げたりします。乾杯といってもドリンクだけではなく、グミやチュロスなどでも行います。みんなで集まったとき、自分たちの友情を他人に見せる行為として流行しているのでしょう。
第3位は「JKブランド」です。
女子高生たちは、自分たちが女子高生であることに誇りを持っています。JKブランドというコトバはすでに定番化しているため、ランクインは少し不思議でしたが、Instagramのハッシュタグとして流行しているとのこと。
女子高生関連のハッシュタグは他にもあり、「#FJK(First JK=一年生)」、「#SJK(Second JK=二年生)」、「#LJK(Last JK=三年生)」もよく使われます。SNSの自己紹介に「FJK」と書いてあったら、高校一年生だということです。
さて、ベストスリーを紹介したところで、気になるワードをピックアップして紹介しましょう。「ディズる」はなにかわかりますか? 東京ディズニーリゾートへ出かけることを指しています。「これからディズる!」などの用法で使います。
10代女子はディズニーリゾートに制服で出かけるのが大好き。高校を卒業しても制服を着て「制服ディズニー」を楽しみます。ミッキーやミニーがかわいいのはもちろんですが、ディズニーリゾート内の建物や壁がインスタ映えするフォトスポットであることも理由の一つ。Instagramにはたくさんの写真や動画を投稿します。
もうひとつ、Petrelが行った2019年上半期流行語ランキングからもご紹介しましょう。言葉編の1位は「あたおか」です。Instagramへの投稿に「あたおか」とハッシュタグを付けるのですが、なんだと思いますか?
正解は「頭はおかしい」の略です。お笑いコンビ「見取り図」の盛山さんが突っ込みに使う言葉なのですが、実際にInstagramで検索してみると、プリクラやセルフィーなどかわいく撮れている画像に付けている人も多く見られます。照れ隠しの用途が大きいのかもしれませんね。
このランキングには、もはや有名ともいえる「タピる」「タピ活」、「あげみざわ」もランクイン。えっ、わかりませんか? 「タピる」はタピオカドリンクを飲むこと、「タピ活」はタピオカドリンクを飲みに行く行為です。「あげみざわ」はテンションが上がること。「今日前髪決まってテンションあげみざわ」というように使います。これはYouTuberとしても活躍中の「けみお」さんが使い始めた言葉だとか。
テレビのお笑いタレントが流行り言葉を生み出すように、今はYouTubeやTikTokなどネットサービスから生まれる流行語もある時代になりました。さて、下半期はどんな流行語が生まれるのでしょうね。
著者プロフィール
鈴木朋子
ITライター・スマホ安全アドバイザー。SNSやスマホなど、身近なITに関する記事を執筆。10代のスマホカルチャーに詳しく、女子高生とプリクラにも出かける。趣味はへんてこかわいいiPhoneケース集め。著書は「親子で学ぶスマホとネットを安心に使う本」(技術評論社)など20冊を超える。