暑い日が続きますね。早くも2023年の上半期が過ぎてしまいました。この上半期、10代女子にはどんな言葉が流行したのでしょうか。流行語ランキングを紹介します。

恋バナに欠かせない「蛙化」、「蛙化現象」

2023年上半期は、ある言葉が1位を独占しています。それは、「蛙化」、「蛙化現象」です。マイナビティーンズラボが2023年6月14日に発表した「2023年上半期10代女子が選ぶ流行ったコトバ」で1位、N.D.Promotionが6月5日に発表した「Z総研2023年上半期トレンドランキング 流行ったコトバ」で1位、ライスカレーが6月12日に発表した「2023年上半期インスタ流行語大賞」でも1位を獲得しています。

  • 恋愛では「追いかけられると逃げたくなる」なんて言われることがありますが、好きな人が振り向いてくたら急に冷めた……という経験はありますか?

  • 「Z総研2023年上半期トレンドランキング 流行ったコトバ」(出典:N.D.Promotion)

「蛙化現象」とは、自分がすごく好きだった相手が自分のことを好きになると、急に恋心が冷めてしまうことを指します。蛙化現象の由来は、グリム童話の「かえるの王様」だと言われています。童話では魔法をかけられていたカエルと王女様が出会い、王女様の行動がきっかけで魔法がとけて王子様に戻るストーリーなのですが、蛙化現象はこの反対。突如、王子様がカエルのように見えて気持ち悪さを感じる状態を言います。

いったい何のことやら、わかりにくいかもしれませんね。どういうときに蛙化現象が起きるのか、バイドゥの「蛙化現象あるあるTOP10」を見てみると、「両想いになった瞬間、気持ちが冷める」が1位となっています。「好きな人に好きって言われたら満足して好きじゃなくなる」「自分なんかを好きになっちゃうのか…ってなる」という意見があり、こうした心理で急に恋心が冷めてしまうのでしょう。また、「こぼれた食べものを口にする」「鼻息が荒い」など、ふとした行動で急に冷めてしまうこともあるようです。

SNSには、蛙化現象を解説する動画や画像、蛙化現象あるある動画などがあふれています。女子会で恋バナをするとき、「彼氏のこんなところが嫌で冷めた」と蛙化した経験を言い合って盛り上がっている姿が目に浮かびます。

TikTokの流行語が数多くランクイン

続いて、マイナビティーンズラボの流行したコトバランキングを見ていきましょう。

  • 「2023年上半期10代女子が選ぶ流行ったコトバ」(出典:マイナビティーンズラボ)

3位の「かわちい」、4位の「ちゅき」、6位の「うちゅくしい/うちゅくちい」は、すべてTikTokの「コーデ紹介」動画が元になって流行ったコトバです。

「かわちい」は、TikTokで服装のコーディネートを紹介する動画を公開しているSleepy Boyさんのお決まりのセリフ。Sleepy Boyさんは、ピンマイクを手に持ち、ときおり服をなでてASMRのように音を出すなど、自分のスタイルでコーデを紹介しています。TikTokは誰かの真似をして動画を作る「ミーム」という文化がありますが、Sleepy Boyさんのコーデ紹介のスタイルも多くのユーザーに真似られました。

その中の一人、SHIGEさんはオリジナルの言葉「うちゅくしい」をコーデ紹介動画で使うようになり、こちらもブームとなりました。

「ちゅき」もコーデ紹介動画でよく使われる言葉。「好き」の赤ちゃん言葉ですね。10代女子も自分のSNSなどで使っているそうです。

芸能人の発言やネット用語も

TikTokerだけでなく、芸能人の発言も流行しています。2位「トヨナガタクト、トヨナガタクト」は、ABEMAのデビュープロジェクト「BOYS PLANET(ボーイズプラネット)」に出演していた拓斗さんが自己PRとして披露したラップです。

また、「M1グランプリ」で決勝に進出した「ヨネダ2000」の「絶対に成功させようね」も9位にランクイン。TBS系ドラマ「君の花になる」に出演していた綱啓永さんの「なって↑ない」も10位に入っています。どちらも独特のイントネーションがくせになるため、真似する人達が続出しました。「なって↑ない」に関しては、テキストとして使う女子も多かったそうです。

このように、芸能人の発言も流行語に入ってはいますが、流行のきっかけはネットやSNSでバズったからです。真似したくなる、真似しやすい言葉がどんどんネットで広がる傾向がありますね。

ネットといえば、古くからネットを使っている人なら見覚えがあるネット用語もランクイン。5位の「~ニキ・~ネキ」は、「アニキ(兄貴)」、「アネキ(姉貴)」の意味です。2ちゃんねるの「なんでも実況J(なんJ)」板で使われていた言葉で、相手の名前の最後に「朋子ネキ」のように使います。尊敬する人や頼れる人に付けることが多いのですが、最近では「自撮りネキ」など、何かをする人を総称する言葉として使うこともあるようです。

「なんJ」語が10代女子に使われるなんて意外に思う人もいるかもしれませんが、過去にもマイナビティーンズラボ「2017年ティーンが選ぶトレンドランキング」で「ンゴ」が3位にランクインしています。ネットで使いやすい言葉がそのままリアルで流行する時代になったことを改めて感じます。