スマートフォンの本体サイズは年々大型化している。ところがそんなトレンドに反するような製品が海外で発売になった。手の平のサイズよりもはるかに小さい、指先サイズともいえるミニミニサイズのスマートフォンだ。
画面サイズ2.4インチのMicroX S240
アメリカ拠点のMoshが間もなく発売する「MicroX S240」は、この大きさでWEBを見たり地図検索ができるとは思えない超小型サイズのスマートフォン。画面サイズはわずか2.4インチで、5インチ台が今や普通となった最近のスマートフォンの数分の1の大きさだ。本体サイズは89x47x11.6mm、指先3本分よりもさらに小さい大きさだ。
S240はこんなに小さくてもしっかりとしたAndroidスマートフォンだ。OSはAndroid 4.4を搭載。LTEには非対応だが3G回線を利用可能、CPUはやや非力なデュアルコア1GHz駆動だが画面が小さい分これでも十分サクサクと動いてくれる。カメラは2メガピクセルだが、本体サイズを考えればむしろトイカメラのような使い方をしたほうが楽しいかもしれない。
とはいえここまで小さいと、画面の表示にも制限がある。画面の解像度は240x432ピクセル。最近流行りのミッドレンジレベルの製品のHD(1280x720ピクセル)や、1万円台の低価格スマートフォンのqHD(960x540ピクセル)よりも表示可能なサイズはかなり小さい。アプリ一覧画面には、アプリのアイコンは3x3の9個のみ表示される。また画面の一番下にはよくつかうアプリを登録できるが、ここにも最大3個しかアプリを置けない。
そのため電子書籍やコミックを閲覧したり、WEBでニュースを読むといった用途に使うのはちょっと難しいかもしれない。そもそもS240はCPUパワーも非力なので、使い方は工夫する必要がある。
例えばメッセージのやりとりなど、画面の狭さを逆手にとって、文字やスタンプだけの表示に使うならばむしろこの大きさは使いやすいかもしれない。ソーシャルサービス専用スマートフォンとしてポケットに常に入れておく、そんな用途も十分ありだろう。
また最近はスマートフォンで聞く音楽も本体に曲をダウンロードするのではなく、ストリーミングでネットから直接聞くサービスが次々と登場している。X240を小型のストリーミング音楽プレーヤーとして使う、というのも便利かもしれない。普段使っているメインのスマートフォントは別に、MVNOの格安SIMを入れて「単機能専用のもう1台のスマートフォン」として活用するのだ。
S240の価格は89.99ドル、約1万円。カラバリは4色あり、上品なホワイト&ゴールド、写真でも紹介したカラフルなピンクなどどれを選ぶか悩んでしまうかもしれない。値段が安いので複数台買って使い分けるのもいいだろう。またもう少し値段が安くなれば、コンビニの棚でお菓子などと一緒に並べて売ってもいいかもしれない。
画面が小さい分キーボードを表示しての文字入力は難しいが、ソーシャルサービスでスタンプのやり取りだけをするといった使い方で、子供用の「初めてのスマートフォン」にも向いていそうだ。その用途ならアニメのキャラクターを描いたバージョンなどもぜひ欲しいところ。高機能&高価格な最近のハイエンドスマートフォンにやや疲れた人にとっては、どうやって使うかを考える、楽しい製品となるだろう。
S240の日本での発売は今のところ予定されていない。だがこのS240、実はODM(相手先ブランド製品開発)メーカーの製品だ。ということは他のメーカーブランドの製品として各国で発売される可能性がある。日本向けにもどこかの企業がぜひ製品化して欲しいものだ。