韓国SK TelecomからLTE対応のスマートフォン「Samsung Celox」が今月発売される。4.5インチディスプレイを搭載し、LTEは3つの周波数に対応するグローバルモデルだ。日本での販売も期待される。
LTE 3バンドに対応するSamsung Celox
Samsung Celoxは、Galaxy S IIをベースに高機能化が図られたモデル。OSはAndroid 2.3、CPUはデュアルコア1.5GHzに強化され、ディスプレイも一回り大きい4.5インチへとサイズアップされている。本体のサイズは129.8x68.8x9.5mmと若干大きくなっているが、スタイリッシュなデザインはサイズの違いをあまり感じさせない。海外向けには同系機がGalaxy S II LTEとして販売される予定だが、韓国ではLTE対応をアピールすることから「Celox」という新しい名前がつけられたようだ。
LTE対応のスマートフォンはすでにアメリカでSamsungやHTCの製品が販売されているが、いずれもアメリカのLTE周波数のみに対応したモデルだ。一方韓国で発売されるSamsung CeloxはLTE 800/1800/2600MHzのトライバンドに対応する。この周波数はヨーロッパやアジアで広く利用されるもので、Samsung Celoxは国を超えて高速なLTEネットワークを利用できる最初のグローバルLTEスマートフォンとなる。
Samsung Celoxのスペック上の最大通信速度は下り100Mbps、上り50Mbps。これはあくまでも最良の環境下の速度となるが、海外モデルのGalaxy S II LTEの実機がはじめて出展された展示会、IFA 2011のSamsungブースでは現地のVodafoneのLTEネットワークの下で下り50Mbps前後の速度を出していた。高画質な動画をストリーミングでストレスなく再生できていた他、検索のレスポンスも高速でオンライン翻訳サービスもストレス無く利用できていた。クラウド上に置いたデータもLTEスマートフォンならストレス無く活用できそうである。
日本向けは周波数変更で対応
韓国では今年7月からSK Telecom、LG U+の2社が800MHz帯を使って相次いでLTEサービスを開始。残るKTは現在WiMAXサービスを全国展開中だが、年内にもLTEサービスを開始する予定だ。国内全事業者がLTEを始めることで、今後韓国ではハイエンドスマートフォンはLTE対応が標準となっていくだろう。LGやHTC、PantechからもLTE端末が噂されており、これらの製品はいずれ日本を含む海外でも販売されるだろう。このSamsung Celoxも日本でドコモから発売されるものと予想される。
なおドコモのLTEは他国とは異なる2100MHz帯を利用しており互換性が無いものの、各メーカーも周波数を変更したモデルを日本へ投入してくるだろう。9月に発表されたSamsung製のタブレット「Galaxy Tab 10.1 LTE SC-01D」も海外版の製品を日本向けに変更したものだ。またドコモは今後LTE周波数を拡大予定だが、マルチバンド対応のLTE端末が海外で出揃えばその対応も問題ない。アジアやヨーロッパでこれから登場するLTEスマートフォンは、いずれもが日本市場への投入が期待できる製品としてぜひ注目しておきたい。