日本に突如参入したスマートフォンブランド「nubia」。10万円を切る価格の「nubia Flip 5G」は折りたたみスマートフォンとしては破格の価格と海外でも話題になっています。同型モデルはY!mobileから「Libero Flip」としても発売されており、スペックはやや落ちるものの契約込みなら4万円を切る驚きの価格で販売中です。
nubiaはZTEというメーカーの傘下で、日本でもZTEはLiberoシリーズをソフトバンクグループに提供していました。ZTEブランドでは過去に日本でもいくつかのモデルを出していましたが、nubiaブランドで日本での存在感をこれから高めようとしています。すでにnubiaのスマートフォンは海外でいくつか販売されていますが、2024年2月にスペイン・バルセロナで開催された「MWC Barcelona 2024」で新製品もいくつか発表しています。他のメーカーにはない楽しげなデザインの製品もnubiaの特徴です。
まずは背面がカラフルな「nubia Music」。最近のスマートフォンはカメラが大型化していますが、nubia Musicの背面に見える大きな円形のものはカメラではなくスピーカー。なんと一般的なスマートフォンの600%、6倍もの大音量で音楽を流すことができます。室内はもちろん、屋外でパーティーをやるときなどのことを考えた設計なのでしょう。とはいえ外で音を流しても大丈夫かなと思ってしまいがちですが、nubia Musicのターゲットは日本など先進国ではなく、アフリカなどの新興国。屋外で音楽を流してみんなで楽しむ、そんな文化のある国を狙った製品なのです。
一方では、本体の上部にヘッドホン端子を2つ装備しています。恋人同士で好きな音楽を聞く、なんて用途にも向いているのですね。このようにnubia Musicは「音楽を共有する」をコンセプトにしたスマートフォンというわけなのです。
nubiaの中にもフラッグシップと言える高性能モデルがあります。「nubia Z60 Ultra」はカメラ性能を大幅に強化したモデルです。背面デザインもメカっぽいというか「精密機械」を思わせる仕上げ。またブルーのモデルはゴッホの名画をモチーフにしたもので、アーティスティックな印象を出しています。
カメラは5,000万画素標準+5,000万画素超広角+6,400万画素3.3倍望遠という組み合わせ。標準カメラは焦点距離が35mmで、一般的なスマートフォンの26mmより長くなっています。これはポートレートなど人物撮影に適した焦点距離で、「作品を撮る」ことも意識した設計になっているのです。
フロント面を見るとフロントカメラが見当たりません。ZTEのハイエンドモデルが採用するアンダーディスプレイカメラを採用しており、ディスプレイの下にカメラが隠れているのです。ゲームをするときや動画視聴のとき、画面を遮るものが一切なく、広々としたディスプレイすべてを表示エリアとして使えるのです。
メタリック風なイエローボディーの「nubia Neo 2」はゲーミングスマートフォン。ただし本体スペックはミドルハイレンジであり、カジュアルなゲームを手軽かつ快適に操作できる製品という位置づけです。ヘビーなゲームはゲーム専用機に任せて、nubia Neo 2は出勤や通学の移動中にさっと取り出してゲームに没頭する、という使い方が適しています。
本体側面を見ると、横にして持った時に左右の肩に当たる部分にゲーム用のソフトボタンが搭載されています。ゲームをするときはここを使ってより快適なプレイができるというわけです。見た目だけではなく使い勝手もしっかり考えられた作りになっているわけですね。
さてカメラ性能を重視したモデルには価格を抑えた「nubia Focus Pro」もあります。nubia Z60 Ultraとはデザインテイストは異なり、こちらのほうがよりアナログカメラっぽいデザインかもしれません。
メインカメラを1億800万画素と高画質とし、望遠カメラが無くとも撮影した写真の一部を切り取れば疑似的に望遠撮影的な写真になります。スペックはミドルハイレンジで価格も安めになる予定です。
これらの製品はこの春以降、海外市場に投入されます。そのためスペックの一部や価格はまだ未定になっています。日本ではnubia Flip 5Gと「nubia Ivy」が出てきましたが、もしかすると今回紹介したスマートフォンも追って日本で販売されるかもしれせん。