話題のスマートフォン「Nothing Phone (2)」はオンライン販売を基本としていますが、実製品を触ることのできる「Nothing Drops」が世界各国で展開されています。アジア北東圏では東京、香港、ソウルにNothing Dropsの店舗があるのですが、東京は残念なことにワイヤレスヘッドホン「Nothing Ear (2)」のみの展示で、スマートフォンは展示されていません。
そこで香港とソウルのNothing Dropsへ行ってみました。
まずは香港。香港のNothing DropsはNothing Phone (2)の取扱店舗にもなっている高級デパートのLane Crawford各店舗に設置されています。ブランド品の洋服やバッグなどが展示されている一角に、Nothing Dropsがありました。
ブースは小さめで、これは土地の狭い香港ではよく見られるスタイルです。必要最小限の展示ではありますが、無駄も無く製品そのものに集中できるディスプレイと言えるでしょう。展示されているNothing Phone (2)の実機はライトグレーモデルが1台で、残りの2台は2色のモックアップ。この3台の展示が香港では基本のようです。
Nothing Ear (2)も展示がありますが、専属スタッフはいないようで、試聴できるかはわかりませんでした。香港は1年前の初代Nothing Phone (1)発表時には大々的なイベントを行い、実機をじっくりと試すことのできる体験ショップもオープンしたのですが、今回は展示の規模そのものは小さくなっています。
ちなみに香港のNothing DropsはLane Crawfordの別店舗もあわせ4か所あります。また販売キャリアのCSL、1010の各店舗にも同じ展示台があり実機が展示されています。街中のどこに行ってもNothing Phone (2)が見られるということは、展示スペースが小さくとも消費者の目に触れる機会は多いのではないでしょうか。
一方、韓国・ソウルのNothing Dropsは大学生の街、ホンデ(弘大)に近いサンスドン(上水洞)にあるKREAMという店舗内にあります。サンスドンはおしゃれカフェなどが多い最近話題のエリアだそうです。韓国では初代モデルの展示がなかっただけに、今回は若者の集まるホットな場所にNothing Dropsを構えたのでしょう。
KREAMのビル3階にあるポップアップストアは広い窓から入る光がここちよく、曲線と直線を組み合わせたモノトーンの落ち着いたインテリアがNothingの世界観にマッチしています。あいにく雨模様の天気だったのですが来客もちらほらあり、Nothing Phone (2)に興味のある人たちはカフェ巡りがてらここへやってくるのでしょう。
端末は複数展示しており、モックアップは無くすべてが実機。そのため一人でゆっくりと操作を試すことができます。筆者が訪問したときも1人のお客さんはGlyph interfaceをじっくり試していました。
実は韓国のスマートフォン事情はLGが2021年に撤退して以降、サムスンとAppleの2強となり端末の選択肢はかなり狭くなっています。シャオミやモトローラも端末を出しているものの細々といった感じで、Nothing Phone (2)は寡占状態と言える韓国市場に参入してきた期待の製品で、日本以上に注目度は高いかもしれません。
今回初めてNothing Phone (2)を知ったという来客もいるようで、Nothing Drops店内にはNothingの企業紹介やサステナビリティーへの取り組みなども説明されていました。今やどんなにいい製品でも、環境に配慮したモノづくりをしていないメーカーは敬遠されがちです。Nothing Phone (2)も独自の世界観だけが売りではなく、リサイクル素材の採用や再生可能エネルギー、パッケージングの工夫なども製品の特徴としてアピールされています。
Nothing Phoneのような全く新しいデザインの製品は、オンラインの紹介だけではなかなかその魅力は伝わりません。Glyph interfaceも実際に体験してみるとその美しさ、便利さ、楽しさをより理解できます。ロンドンにはNothingの実店舗がありますが、今後は各国にNothingストアをぜひオープンしてほしいものです。